一般眼科・コンタクト
一般眼科・コンタクト
ドライアイは日本では5人に1人が罹患していると言われるほど増えている疾患です。目は涙によって乾燥から守られていますが、ドライアイは涙の量の不足や涙の質のバランスが崩れてしまい、目の表面を乾燥から守ることができなくなってしまっている状態です。
目の表面を守る涙がなくなると、ちょっとした刺激で眼が傷付きやすくなります。加齢によって涙の量や質は変化するため、高齢者にドライアイが多かったのですが、エアコンの風やパソコン・スマートフォン、コンタクトレンズもドライアイの大きなリスク要因であり、近年は子どもを含めた幅広い層の発症が増えています。
涙は目の表面を潤して乾燥から守り、酸素や栄養素をすみずみまで届け、小さなゴミなどの異物や老廃物を洗い流す役割を担っています。ドライアイの患者様は涙が足りていないため、眼表面の角膜・結膜細胞が時間経過とともにどんどん傷ついていってしまいます。
涙はまばたきによって分泌が促されますし、まばたきは涙を均等に行きわたらせるためにも不可欠です。そのため、まばたきの回数が減ることもドライアイの原因になります。
ドライアイには①涙液分泌低下型 と ②蒸発亢進型 の大きく分けて2種類があり、それぞれ治療方針が異なります。
当院ではフルオレセイン染色試験など検査を行い、正確な診断のもとに治療方法をご説明しております。
粘性を持ち、水分を保つヒアルロン酸点眼薬や、涙を分泌させる働きを促すジクアホソルナトリウム点眼薬やレバミピド点眼薬処方による治療を基本に行っています。この点眼によって水分を補給するだけでなく、眼の表面に涙や目薬を長く保てるようになるため、表面の傷修復も促進されます。
分泌低下型ドライアイの患者様で点眼薬では症状の十分な改善がない場合には、涙の排出口を閉じる涙点プラグや液体コラーゲンプラグを使用した治療を行っています。排出口の涙点にプラグを挿入して閉じ、眼の表面に涙をためることで症状を改善させます。点眼麻酔をした上でプラグを挿入します。専用の器具を用いた挿入により、痛みもありません。なお、治療に要する時間は5分程度です。液体コラーゲンプラグの場合は、施術後、10〜15分程度ベッドでお休みいただきます。
まばたきの回数を意識的に増やすようにしましょう。人間は集中した際にまばたきの回数が大幅に減ってしまうため、パソコンやスマートフォンを使っている時には特にまばたきを増やすよう心がけてください。そしてパソコン作業が長い方はディスプレイの高さも重要です。なるべく目線が下を向くように、やや低い位置にディスプレイを設置するのがドライアイ対策に有効です。
また、エアコンは室内の空気を乾燥させてドライアイの症状を起こしやすくします。直接、エアコンや扇風機の風が当たらないようにする、卓上加湿器を設置するなどで、乾燥をできるだけ解消させてください。また、目薬は防腐剤の入っていない人工涙液であれば、気になった時に何度か点眼しても問題ありません。
目の疲れやかすみ、痛み、まぶしさ、充血、それに付随する頭痛や肩こり、吐き気、めまいなどの症状が現れ、休息や睡眠の後も十分に回復しない状態です。近年は特にスマートフォンやタブレットの長時間利用、パソコン作業などが一般的になり、眼精疲労を訴える方が急増しています。眼精疲労は全身疾患によって起こることもありますし、ストレスや不安などによって現れるケースもあります。デスクや椅子の高さやモニターの角度などの環境因子の影響も指摘されているため(VDT症候群、下記)、生活習慣を見直すことで改善につながることもあります。
原因をできるだけ排除することが重要です。当院では問診・検査を行ったうえで原因に合わせた適切な治療を行っています。たとえば、眼鏡やコンタクトレンズが用途に合っていなくて眼精疲労を起こしている場合には、新しく作り直します。また、症状に合わせた生活習慣の改善も効果が期待できます。パソコンやスマートフォン、タブレットなどを使用する際には、20分に1回・2-30秒程度、1時間に1回・5分程度の休憩を入れるよう心がけてください。
VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)症候群とは、パソコンやスマートフォンなどのディスプレイ画面を利用した長時間の作業が原因となって、眼・身体・心に症状を起こす疾患です。“IT眼症(がんしょう)”とも言います。
連続使用時間が増えるとより強いさまざまな症状を現しやすく、近視や角結膜炎などの眼疾患に加え、頭痛、めまい、吐き気、ひどい肩こりなど目以外の症状を起こすこともよくあります。
目に潤いを与えて目の疲れを緩和させる点眼薬を中心に、必要な場合には目や身体の緊張をゆるめる薬の処方を行います。眼鏡やコンタクトレンズの度が合っていない場合には、作業に合わせて適切な眼鏡などを作りましょう。
実際にはいない黒い虫のようなものや透明な糸くずみたいなものなどが浮かんで見える状態です。形や大きさはさまざまで、視線を動かすと一緒に動く場合や、ゆっくり下に落ちていくように感じられることもあります。白い壁や青空などを見ていると気付きやすく、20歳代で飛蚊症を自覚することもあります。2-3個程度の、飛蚊の数が少ない症状の場合は問題のないケースも多いのですが、中には網膜裂孔・網膜剥離やぶどう膜炎、硝子体出血など、重大な眼疾患の症状として現れる場合もあるため注意が必要です。突然症状が出現した場合やどんどん悪くなる場合は、早い段階で眼科で診察をお勧めいたします。その際は「散瞳検査」を行いますので、ご自身みずからの運転でのご来院は避けていただけますと幸いです。
飛蚊症には、加齢など生理的な変化によって起こる生理的飛蚊症と、眼科疾患によって起こっている病的飛蚊症があります。
生理的飛蚊症とは、眼の中にある「硝子体」が加齢などで変化して濁りやシワが生まれ、その影が網膜に映って自覚するものです。他にご年齢による変化により硝子体が萎縮して網膜から剥がれる「後部硝子体膜剥離」が起こっていることもあります。これは「網膜剥離」とは異なり病的なものではなく、視機能には影響しませんので様子をみるしかないのが現状です。
病的飛蚊症では早急に治療が必要な状態であることが多く、今後の視力の大幅な低下や失明につながる可能性もあり、早期の受診が不可欠です。
ほとんどの飛蚊症は治療の必要がありませんが、網膜裂孔・網膜剥離など深刻な眼科疾患の症状として現れることがあります。失明や大幅な視力低下を防ぐためには、飛蚊症が現れた時点ですぐに受診することがとても重要です。特に、「黒い点の量や範囲が急激に増えた」、「暗い場所で稲妻のような光が突然見える」、「急激に視力が低下した」、「視野の一部が欠けている」といった症状を伴う場合はできるだけ早く受診してください。
早期に発見できればレーザー手術(日帰り)で進行を食い止めることができます。
メスを使う「観血的手術」が必要な場合は連携病院にご紹介させていただきます。
まぶたが赤く腫れたり、コリコリしたしこりができたりするものです。できる場所は様々で、痛みを伴ったり、全く痛くなかったりします。
「ものもらい」は大きく分けて2つの種類があります。麦粒腫と霰粒腫です。
麦粒腫とは、まぶたにある分泌腺「マイボーム腺」や「ツァイス腺」という管にばい菌が入り込んでしまい炎症を起こした状態です。赤く腫れて熱を持ち痛みを伴います。「まばたきのときに痛い」「触ると痛い」といった場合には麦粒腫かもしれません。
霰粒腫はマイボーム腺が詰まってしまい、そこに粥状物が溜まってしまい、しこりのような腫瘤を形成します。特徴は「しっかりとコリコリしたものがあるけど痛みはない」点です。
しかし中には形成された霰粒腫に細菌感染が合併すると「急性霰粒腫」となり痛みを伴います。
麦粒腫の治療は基本的にばい菌をやっつける抗生剤の点眼・内服が基本となります。膿がたくさん溜まっていて痛みが強い場合には針でつっついて膿をある程度出してあげたほうが治癒が早くなり痛みも退くため、ご相談の上で外来で施行できます。
霰粒腫は点眼や内服での治癒がなかなか困難で再発も多い、やっかいなもののことが多いです。悪い腫瘤ではないので、気にならなければそのまま様子をみててもいいのですが、感染を繰り返したり、見た目が気になる場合は手術で切開して溜まっている粥状物をきれいにしてあげることが必要です。
当院ではお子様の手術対応が困難のため、局所麻酔での手術が困難な場合で手術をご希望される患者様は関連病院へご紹介させていただいております。