白内障手術後の眼鏡はいつ作る?〜最適なタイミングと選び方を解説
- 2026年7月15日
- 白内障

白内障手術後、なぜ眼鏡を作り直す必要があるのか?
白内障手術後は、ほとんどの方が術前に使っていた眼鏡では合わなくなります。
手術では濁った水晶体を取り除き、代わりに「眼内レンズ(IOL)」を挿入します。この眼内レンズは、ピントを自動調節する機能を持ちません。そのため、手術前の眼鏡の度数とは全く異なる視力状態になるのです。
例えば単焦点レンズで遠方にピントを合わせた場合、手元を見るには老眼鏡が必要になります。逆に手元に合わせた場合は、遠方を見るための眼鏡が必要です。
「手術したからもう眼鏡は不要」と思い込むのは危険です。術後の快適な生活のために、新しい眼鏡を適切なタイミングで作ることが重要になります。
幕張久木元眼科
術後の見え方・眼鏡のタイミングでお悩みですか?
眼鏡を作る最適な時期は、目の状態や選んだ眼内レンズによって変わります。気になることは診察時にお気軽にご相談ください。

白内障手術後の眼鏡はいつ作るのがベストか?
術後1〜2か月で裸眼視力が安定してから作るのが基本です。日本眼科医会は公式ホームページで「裸眼視力が安定するのは術後1〜2か月後であり、その間にメガネを作るのを待った方が無難」と明示しています。
手術直後は目の状態がデリケートで、度数が日々変化します。この時期に眼鏡を作ってしまうと、2〜3か月後には合わなくなり、再度作り直しが必要になるケースが多くあります。
術後すぐに眼鏡を作るとどうなるか?
術後すぐに眼鏡を作ると、度数のズレが生じるリスクが高くなります。
PubMed掲載の査読論文(Caglar et al., Seminars in Ophthalmology, 2017年)によると、白内障手術後の自動屈折検査値は術後1週間で安定し始め、角膜乱視や前房深度は術後2週間で安定することが示されています。ただし、これは合併症のない超音波乳化吸引術(フェイコ手術)の場合であり、個人差があります。
眼科医の指示なく早期に眼鏡を作ることは避け、必ず主治医の許可を得てから眼鏡店に向かいましょう。
どうしても待てない場合の対処法は?
生活に支障が出る場合は、「仮の眼鏡」を一時的に使う方法があります。
- 仮メガネを作成し、視力安定後に作り直す:度数変化に対応した保証サービスを提供している眼鏡店もあります。
- 既成の補助メガネを使用する:術後補助眼鏡として、既成度数の補助メガネが市販・眼科で提供されているケースがあります。
- 医師に相談のうえ一時的な眼鏡を処方してもらう:視力が安定した後に改めて本作成します。
いずれの場合も、主治医への相談が最優先です。自己判断で進めると、不適切な度数の眼鏡を長期間使用するリスクがあります。
眼内レンズの種類によって眼鏡の必要性はどう変わるか?
眼内レンズの種類によって、術後に必要な眼鏡の種類と枚数が大きく異なります。手術前にレンズを選ぶ段階で、術後の眼鏡生活をイメージしておくことが大切です。
単焦点レンズを選んだ場合
単焦点レンズは1か所にしかピントが合わないため、合わせた距離以外は眼鏡が必要になります。
- 遠方にピントを合わせた場合:手元の読書・スマートフォン操作に老眼鏡が必要
- 手元にピントを合わせた場合:車の運転・外出時に遠用眼鏡が必要
- 中間距離にピントを合わせた場合:遠方・近方の両方に眼鏡が必要になることも
日本では健康保険が適用されることから、単焦点レンズは白内障手術の95%以上で使用されているとされています(日本経済新聞、2023年12月報道)。術後の眼鏡生活をしっかりと設計しておくことが重要です。
多焦点レンズを選んだ場合
多焦点レンズは遠方・中間・近方など複数の距離にピントが合うよう設計されており、眼鏡への依存度を大幅に減らせます。
- 保険適用の分節型2焦点レンズ:約70cmから遠方まで焦点が合い、日常生活での眼鏡使用を減らせます
- 3焦点眼内レンズ:近方・中間・遠方すべてにピントが合い、より広い距離範囲をカバー
- 乱視矯正レンズ(トーリックIOL):乱視がある方の見え方の質を高めます
ただし多焦点レンズでも、細かい手元作業や夜間運転時に補助的な眼鏡が必要になる場合があります。レンズ選択は術後の生活スタイルと合わせて眼科医と十分に相談することが大切です。

白内障手術後の眼鏡はどう選べばよいか?〜ライフスタイル別の選び方
術後の眼鏡選びは「何を一番快適に見たいか」というライフスタイルを基準にするのが正解です。単焦点レンズを選んだ方は特に、複数の眼鏡を使い分けることで生活の質が大きく向上します。
遠近両用レンズ(累進多焦点レンズ)
1枚のレンズで遠くから近くまでカバーできる最も汎用性の高い選択肢です。
- 向いている方:車の運転や外出がメインで、時々手元も見たい方
- 注意点:パソコンやスマートフォンなど手元を見るための視野がやや狭め。慣れるまで時間がかかることがあります
中近両用レンズ
室内での生活(中間距離〜手元)が最も快適になるよう設計された「室内用」の遠近両用です。
- 向いている方:パソコン作業・テレビ鑑賞・料理など、室内で過ごす時間が長い方
- 注意点:夜間の車の運転では遠くの見え方が物足りない場合があります
近々レンズ(手元ワイドレンズ)
手元の一点だけでなく、デスク周辺に広くピントが合う「作業用」の老眼鏡です。
- 向いている方:手芸・読書・細かい手元作業に集中したい方
- 注意点:遠くは見えないため、外出用(遠近)や室内用(中近)との使い分けが前提
単焦点の遠用・近用眼鏡
シンプルに遠方専用・近方専用として使う選択肢です。見え方が安定しており、慣れやすいのが特長です。
- 遠用眼鏡:手元にピントを合わせた単焦点レンズ術後の方に
- 老眼鏡(近用眼鏡):遠方にピントを合わせた単焦点レンズ術後の方に
複数の眼鏡を使い分けることで、術後の生活は格段に快適になります。眼鏡店では1級眼鏡作製技能士などの専門家に相談しながら選ぶと安心です。
白内障手術後の眼鏡選び、検査のうえでご提案します
当院では視能訓練士による検査をもとに、生活スタイルに合わせた眼鏡処方のご相談を承っています。眼鏡の処方は完全予約制です。
術後のまぶしさ対策〜専用レンズはどう選ぶか?
白内障手術後は、多くの方が「まぶしさ」を強く感じるようになります。これは濁っていた水晶体がクリアな眼内レンズに変わり、光をより多く通すようになるためです。
まぶしさが強い場合は、専用の機能性レンズを眼鏡に組み合わせることで快適さが大きく改善します。
- 機能性カラーレンズ:まぶしさの原因となる短波長光(ブルーライト・紫外線)をカットする特殊コーティングや着色レンズ
- 調光レンズ:室内では透明、屋外では自動的に色が濃くなるレンズ。1枚で室内外に対応できます
- 偏光レンズ:路面や水面からの反射光を効果的にカットします。ドライブや釣りなどアウトドア活動に適しています
まぶしさは我慢せず、眼科医や眼鏡店の専門家に相談して適切なレンズを選ぶことが術後の生活の質向上につながります。

白内障手術後の眼鏡作成〜眼科での確認事項は?
眼鏡を作る前に、必ず眼科で視力検査と処方箋の発行を受けることが重要です。眼鏡店での測定だけでは、術後の目の状態を正確に把握できない場合があります。
眼科受診時に確認しておくべきポイントは以下の通りです。
- 視力が安定しているかどうか:主治医に「眼鏡を作っても大丈夫か」を必ず確認する
- 乱視の有無と程度:乱視が残っている場合は乱視矯正レンズが必要になります
- 眼圧・眼底の状態:緑内障や黄斑疾患がある場合は見え方に影響することがあります
- 処方箋の有効期限:眼科で発行された処方箋をもとに眼鏡店で作成します
また、手術前に使っていた眼鏡を眼科に持参し、視力検査のうえでアドバイスをもらうことも有効です。場合によっては、手術前の眼鏡が老眼鏡として使えるケースもあります。
幕張久木元眼科での白内障手術〜眼内レンズ選びにこだわった診療とは?
術後の眼鏡生活を最小限にするには、手術前の眼内レンズ選びが最も重要です。
千葉県千葉市美浜区のイオンモール幕張新都心グランドモール1階にある幕張久木元眼科では、東京医科歯科大学病院白内障・屈折矯正外来の元主任である久木元延行院長が、眼内レンズの選択にとことんこだわった診療を提供しています。
- 保険適用の分節型2焦点レンズ:約70cmから遠方まで焦点が合い、日常生活での眼鏡使用を大幅に軽減
- 3焦点眼内レンズ:近方・中間・遠方すべてにピントが合う多焦点レンズを取り扱い
- 乱視矯正レンズ(トーリックIOL):乱視がある方の見え方の質を向上
- 眼科手術専用顕微鏡:性能にこだわった機器を導入し、安全性に配慮した手術を実施
患者一人ひとりの生活スタイルや希望をよく聞き、オーダーメイドの眼内レンズ提案を行うのが同院の強みです。土日祝日も診療しており、WEB予約システムで待ち時間中はイオンモール内での買い物も可能です。
白内障手術後の見え方や眼鏡について不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。幕張久木元眼科 白内障では、術前から術後の眼鏡生活まで丁寧にサポートしています。
よくある質問
白内障手術後、眼鏡はいつ作ればよいですか?
術後1〜2か月で裸眼視力が安定してから作るのが基本です。日本眼科医会も「1〜2か月はメガネ作成を待つのが無難」と明示しています。早期作成は度数ズレのリスクがあります。
手術前に使っていた眼鏡はそのまま使えますか?
多くの場合、術前の眼鏡は合わなくなります。ただし、もともと遠視用の眼鏡をお使いだった方は、術後に老眼鏡として使える場合があります。眼科で視力検査を受けてから判断しましょう。
多焦点レンズを選べば眼鏡は不要になりますか?
多焦点レンズは眼鏡依存度を大幅に下げますが、完全に不要になるとは限りません。細かい手元作業や夜間運転時に補助的な眼鏡が必要になる場合があります。
術後のまぶしさはいつまで続きますか?
個人差がありますが、多くの場合は術後数週間〜数か月で慣れてきます。強いまぶしさが続く場合は機能性カラーレンズや調光レンズが有効です。眼科医に相談してください。
白内障手術後の眼鏡はどこで作ればよいですか?
眼科で処方箋を発行してもらい、1級眼鏡作製技能士が在籍する眼鏡店で作成するのが安心です。術後の度数変化に対応した保証サービスを提供している店舗もあります。
単焦点レンズを選んだ場合、何枚の眼鏡が必要ですか?
ピントを合わせた距離以外を見るための眼鏡が最低1枚必要です。生活スタイルによっては遠用・近用・中間用と複数枚を使い分けると快適です。
眼鏡を作る前に眼科を受診する必要がありますか?
必ず眼科で視力検査と処方箋の発行を受けてください。術後の目の状態は眼鏡店の測定だけでは正確に把握できない場合があります。
白内障手術後の眼鏡作成に保険は使えますか?
通常の眼鏡作成には健康保険は適用されません。ただし、白内障手術自体(単焦点レンズ)は保険適用です。眼鏡費用は自己負担となります。
結論
白内障手術後の眼鏡は、術後1〜2か月で視力が安定してから作るのが最適です。日本眼科医会の指針に従い、主治医の許可を得てから眼鏡店へ向かいましょう。レンズの種類はライフスタイルに合わせて選ぶことが重要で、まぶしさが強い場合は機能性レンズの活用も検討してください。術後の眼鏡生活を最小限にしたい方は、手術前の眼内レンズ選びの段階から眼科医と十分に相談することが、最も効果的な対策です。
幕張久木元眼科|イオンモール幕張新都心内の眼科
日帰り白内障手術に対応しています。術後の見え方や眼鏡についてもお気軽にご相談ください。土・日・祝日も診療しています。
千葉県千葉市美浜区豊砂1-1 イオンモール幕張新都心グランドモール1階/休診日:火曜
著者情報
幕張久⽊元眼科 院⻑ 久⽊元延⾏

経歴
獨協医科大学 医学部医学科卒業
東京医科歯科大学病院 臨床研修医
東京医科歯科大学 眼科学講座 入局
東京都立広尾病院 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
東京都立多摩総合医療センター 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
– 白内障・屈折矯正外来 主任
– 糖尿病網膜症専門外来
– 医療安全管理リスクマネージャー
幕張久木元眼科開院
【資格】
日本眼科学会認定眼科専門医
水晶体嚢拡張リング認定医
難病指定医
ボトックス認定医(眼瞼痙攣、斜視)
光線力学療法認定医
【所属学会】
日本眼科学会
日本眼手術学会
日本白内障屈折矯正学会
日本網膜硝子体学会
日本糖尿病眼学会


