白内障手術後のまぶしさはいつまで続く?グレア・ハロー現象の原因と対策を眼科医が解説
- 2026年6月14日
- 白内障

白内障手術後のまぶしさ・グレア・ハロー現象とは何か?
白内障手術後のまぶしさは、大きく3種類に分類できます。グレア(眩輝)・ハロー(光輪)・スターバースト(放射状の光)です。これらはいずれも、人工の眼内レンズが光を適切に集められないことで起こる視覚現象です。
- グレア:光がぎらついてまぶしく見える。日中の屋外や明るい室内で特に問題になりやすい。
- ハロー現象:光源の周囲に光の輪(リング)が見える。夜間の対向車ヘッドライトや信号機で顕著に現れる。
- スターバースト:光源から放射状に光の線が伸びて見える。薄暗い場所や夜間運転時に目立ちやすい。
白内障手術後の見え方が気になる方へ
千葉県千葉市で白内障手術後のまぶしさや見え方について相談したい方は、幕張久木元眼科へご相談ください。
術後の経過には個人差があります。不安な症状が続く場合は早めの確認がおすすめです。
公益社団法人 日本眼科医会の術後ケア情報によると、手術前は濁った水晶体を通して見ていたのが、術後は大量の光が一気に入るようになるため、まぶしさを感じやすくなります。これは手術が成功した証拠でもあるのですが、慣れるまでは不快に感じる方が多いです。
また、術前の水晶体は加齢により黄色みを帯びており、青色をはじめとする短波長の光を吸収していました。眼内レンズはその短波長の光を通すため、術後は「青みを帯びて見える(青視症)」という色覚変化が生じることもあります。

グレア・ハロー現象はなぜ起こるのか?原因を詳しく解説
グレア・ハロー現象の主な原因は、眼内レンズの光学的特性と瞳孔の大きさのミスマッチです。暗所では瞳孔が広がるため、レンズの周辺部からも光が入り込み、乱反射が生じやすくなります。
原因をまとめると以下の通りです。
- 眼内レンズの乱反射:人工水晶体(眼内レンズ)が光を通過させる際に乱反射が生じる。特に多焦点レンズは複数の焦点を持つ構造上、単焦点レンズより症状が出やすい傾向がある。
- 瞳孔の拡大:夜間や薄暗い環境で瞳孔が広がると、レンズの光学ゾーン外からの光も目に入り、症状が強くなる。
- 後発白内障:術後数か月〜数年で水晶体の残存カプセルが濁る「後発白内障」が起きると、ハロー・グレアが再び悪化することがある。福井県済生会病院眼科の報告では、術後1年で約10%、3年で約20%、5年で約30%の頻度で後発白内障が発生するとされています。
- ドライアイ・角膜の状態:角膜の混濁やドライアイも光のにじみやまぶしさを悪化させる要因になる。
白内障LAB(日本白内障屈折矯正学会関連)の解説によると、近くが見やすくなるほどハローは大きくなる傾向があり、年齢・性格・生活スタイルによって気になる程度に個人差が出ます。
当院では、手術前に患者さんの生活スタイルや夜間運転の頻度を詳しく伺い、ハロー・グレアが生活に与える影響を事前に把握した上でレンズを選択しています。「どのくらい気になるか」は術前の理解度にも大きく左右されるため、丁寧な説明を重視しています。
白内障手術後のまぶしさはいつまで続くのか?回復の目安
多くの場合、グレア・ハロー現象は術後3〜6か月で自然に軽減します。ただし、完全に消えるまでの期間には個人差があります。
回復の目安を段階別に整理します。
- 術後1〜2週間:症状が最も強い時期。光に対する過敏さが高く、屋外でのまぶしさが顕著。
- 術後1〜3か月:脳が新しい視覚情報に順応し始め、徐々に気にならなくなる方が増える。
- 術後3〜6か月:大多数の方で症状が軽減または消失。夜間運転も以前より楽になるケースが多い。
- 術後6か月以降も続く場合:後発白内障・ドライアイ・眼内レンズのズレなど別の原因が疑われるため、眼科専門医への受診が必要。
なお、多焦点眼内レンズを使用した場合は、単焦点レンズと比べてハロー・グレアが長く続く傾向があります。ただし、最近では「ハロー・グレアを極力抑えた」設計の多焦点レンズも登場しており、レンズ選択が症状の程度を左右する重要な要素になっています。
当院の考えとして、術後のまぶしさは「目が正常に機能している証拠」でもあります。焦らず経過を見ながら、気になる症状があれば遠慮なく相談していただくことが大切です。

単焦点レンズと多焦点レンズで、グレア・ハローの出やすさはどう違うのか?
グレア・ハロー現象の出やすさは、使用する眼内レンズの種類によって大きく異なります。多焦点レンズは構造上、単焦点レンズよりも症状が出やすい傾向があります。
多焦点レンズは光を複数の焦点に分散させる設計のため、光の乱反射が生じやすく、ハロー・グレア・スターバーストのいずれも発生しやすいとされています。
レンズ別の特徴を比較します。
- 単焦点レンズ(保険適用):ハロー・グレアが出る可能性は低め。ただし、後発白内障や瞳孔の状態によっては症状が出ることもある。遠方または近方のどちらかにピントを合わせるため、もう一方にはメガネが必要。
- 分節型2焦点レンズ(保険適用):約70cmから遠方まで焦点が合う設計。ハロー・グレアは従来の多焦点より抑えられているタイプもある。
- 3焦点眼内レンズ(選定療養):近方・中間・遠方のすべてにピントが合う。老眼鏡不要になるケースが多い一方、ハロー・グレアが出やすい設計もある。ただし最新世代のレンズでは大幅に改善されている。
白内障LABの情報によると、2焦点レンズ(アクティブフォーカス)と3焦点レンズ(パンオプティクス)では、ハローの大きさに明確な差があることが示されています。近くが見やすくなるほどハローは大きくなる傾向があり、これはトレードオフの関係です。
当院では、患者さんの職業・趣味・夜間運転の頻度・スマートフォンや読書の頻度などを詳しく聞いた上で、最適なレンズを一緒に選んでいます。「多焦点だから必ずハローが気になる」わけではなく、生活スタイルに合ったレンズを選べば多くの方が満足されています。
白内障手術後のまぶしさ・グレア・ハローを和らげる具体的な対策は?
術後のまぶしさを和らげる方法はいくつかあります。まずはサングラスや遮光レンズの活用が最も手軽で効果的です。
白内障術後のまぶしさには通常のサングラスより「遮光レンズ」が有効とされています。遮光レンズは紫外線を完全にカットしながら、青色光線(380〜500nm付近)を有効に抑え、コントラスト効果を出しながらまぶしさを防ぎます。全体的に光を遮断するサングラスのような暗さを感じないのが特徴です。
対策を具体的にまとめます。
- 遮光レンズ(医療用フィルターレンズ)の使用:屋外では遮光レンズが特に有効。カラーの種類が豊富で、屋外用・室内用・夜間運転用など用途に合わせて選べる。ただし、青色光線を完全にカットするCCPシリーズは昼間の車の運転には不向きなので注意が必要。
- 偏光サングラス:光の反射を抑える効果があり、屋外でのグレア軽減に役立つ。
- 瞳孔を縮小させる点眼薬:医師の指示のもと、瞳孔を縮小させる点眼薬を使用することで光の入る範囲が狭まり、症状が軽減されることがある。
- 室内照明の調整:まぶしい光源を避け、間接照明を活用する。
- ドライアイの治療:ドライアイが症状を悪化させている場合は、人工涙液点眼や生活習慣の改善が有効。
- 後発白内障の治療(YAGレーザー):後発白内障が原因の場合は、外来で数分で完了するYAGレーザー治療が有効。痛みや出血はなく、治療後は速やかに視力が回復することが多い。
なお、「時間をかけて慣れる」ことも重要な対策の一つです。脳は新しい視覚情報に徐々に順応するため、焦らず経過を観察することも大切です。ただし、6か月以上経過しても症状が強い場合は、必ず眼科専門医に相談してください。
グレア・ハロー現象にお悩みの方へ
夜間のライトがまぶしい、光がにじんで見えるなどの症状が気になる方はご相談ください。
症状の原因や術後経過を確認しながら適切な対応をご案内しています。

多焦点眼内レンズを選ぶと、グレア・ハローはどのくらい気になるのか?
多焦点眼内レンズを選んでも、実際にグレア・ハローでかなり困る方はほとんどいないというのが、多くの眼科医の臨床経験から得られた実感です。
みやざき眼科の院長ブログ(2020年12月)によると、「多焦点レンズを入れたからといってハロー・グレアでかなりお困りになる方はほとんどいなかった」とされています。白内障による水晶体の混濁によって、術前からすでにそのような見え方をしていることも多く、術後に改善を実感する方も少なくありません。
実際の患者さんの声としては、「確かに見えるけど大丈夫」「ちょっと夜の運転は怖いけど近場なら全然問題ない」といった反応が多いとされています。
ただし、以下のような方は多焦点レンズのハロー・グレアが特に気になりやすい傾向があります。
- 夜間の長距離運転を頻繁にする方:対向車のヘッドライトや街灯のハローが運転の安全に影響する可能性がある。
- 光に敏感な方・繊細な視覚を求める方:精密な作業や写真・映像制作など、視覚の精度を高く求める職業の方。
- 瞳孔が大きい方:暗所での瞳孔径が大きい方は、レンズ周辺部からの光が入りやすくなる。
当院では、術前に瞳孔径の測定や生活スタイルのヒアリングを徹底し、「このレンズでこういう見え方になる可能性がある」ということを丁寧にお伝えしています。術前の理解と心の準備が、術後の満足度を大きく左右します。
白内障手術後のグレア・ハローが長引く場合、何が考えられるのか?
術後6か月以上経過してもグレア・ハローが強い場合、後発白内障・ドライアイ・眼内レンズのズレなど別の原因が疑われます。放置せず眼科専門医を受診することが重要です。
福井新聞ONLINEに掲載された福井県済生会病院眼科の解説によると、後発白内障はYAGレーザーによるカプセル切開が小さい場合や、残存カプセルが収縮した場合に症状が悪化することがあります。治療はYAGレーザーで外来にて数分で完了し、痛みや出血はありません。
長引く原因として考えられる主なものを挙げます。
- 後発白内障:術後1年で約10%、3年で約20%、5年で約30%の頻度で発生。YAGレーザー治療で改善可能。
- ドライアイの悪化:手術による角膜神経の一時的なダメージでドライアイが悪化し、光のにじみが増すことがある。
- 眼内レンズの位置ズレ(偏位):まれに眼内レンズが正しい位置からずれることで光学的な問題が生じる。
- 角膜の混濁・不整:角膜に問題がある場合も光の乱反射が起きやすい。
- 眼圧上昇・緑内障:術後の眼圧上昇が視覚症状として現れることもある。
当院では、術後定期検診を通じてこれらの原因を早期に発見・対処することを重視しています。「術後は問題ない」と思い込まず、気になる症状があれば早めに受診していただくことをお勧めします。
白内障手術後のまぶしさやグレア・ハロー現象でお悩みの方、または手術を検討中でレンズ選びに迷っている方は、ぜひ幕張久木元眼科(白内障専門外来)にご相談ください。東京医科歯科大学病院白内障・屈折矯正外来元主任の院長が、患者さん一人ひとりの生活スタイルに合ったレンズ選択と術後ケアをサポートします。イオンモール幕張新都心グランドモール1階にあり、土日祝日も診療しています。WEB予約も受け付けています。
よくある質問
白内障手術後のまぶしさはいつまで続きますか?
多くの場合、術後3〜6か月で自然に軽減します。脳が新しい視覚情報に順応するにつれて気にならなくなる方がほとんどです。6か月以上続く場合は後発白内障などの原因が考えられるため、眼科専門医への受診をお勧めします。
グレアとハローの違いは何ですか?
グレアは光がぎらついてまぶしく見える現象、ハローは光源の周囲にリング状の光輪が見える現象です。スターバーストは光源から放射状に光の線が伸びる現象で、これらは別々に、または同時に起こることがあります。
多焦点眼内レンズを入れると必ずハロー・グレアが出ますか?
必ずしも全員に強く出るわけではありません。個人差が大きく、「確かに見えるけど気にならない」という方が多数です。ただし単焦点レンズより出やすい傾向があるため、術前に医師とよく相談することが重要です。
夜間運転時のグレア・ハローを軽減する方法はありますか?
遮光レンズ(医療用フィルターレンズ)の使用が有効です。東海光学の遮光レンズは防眩効果とコントラスト向上機能を持ち、夜間運転用のカラーも揃っています。また、後発白内障が原因の場合はYAGレーザー治療で改善できます。
白内障手術後のまぶしさにサングラスは効果がありますか?
通常のサングラスより遮光レンズ(医療用フィルターレンズ)の方が効果的です。通常のサングラスは暗くなりすぎてコントラストが落ちる場合があります。遮光レンズは青色光線を選択的に抑えながらコントラストを維持できます。
後発白内障とは何ですか?どう治療しますか?
後発白内障とは、白内障手術後に残存した水晶体カプセルが再び濁る状態です。術後5年で約30%の頻度で発生します。治療はYAGレーザーによる外来処置で、数分で完了し痛みや出血はありません。
白内障手術後のまぶしさで眼科を受診するタイミングは?
術後6か月以上経過しても症状が改善しない場合、または急に症状が悪化した場合は速やかに受診してください。後発白内障・眼内レンズのズレ・眼圧上昇など、治療が必要な原因が隠れている可能性があります。
単焦点レンズでもグレア・ハローは出ますか?
単焦点レンズでも出る可能性はあります。後発白内障・ドライアイ・角膜の状態などが影響します。ただし多焦点レンズと比べると発生頻度は低い傾向があります。
結論
白内障手術後のまぶしさ・グレア・ハロー現象は、術後3〜6か月で自然に軽減するケースがほとんどです。多焦点レンズは単焦点より症状が出やすい傾向がありますが、術前に生活スタイルを踏まえたレンズ選択と十分な説明を受けることで、多くの方が満足できる結果を得ています。6か月以上症状が続く場合は後発白内障などの原因が疑われるため、放置せず眼科専門医を受診してください。遮光レンズの活用やYAGレーザー治療など、症状に応じた対策があります。
白内障手術後の経過を確認したい方へ
術後の見え方やまぶしさについて不安がある方は、幕張久木元眼科へお気軽にご相談ください。
検査を通じて現在の状態を確認し、安心して日常生活を送れるようサポートいたします。
著者情報
幕張久⽊元眼科 院⻑ 久⽊元延⾏

経歴
獨協医科大学 医学部医学科卒業
東京医科歯科大学病院 臨床研修医
東京医科歯科大学 眼科学講座 入局
東京都立広尾病院 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
東京都立多摩総合医療センター 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
– 白内障・屈折矯正外来 主任
– 糖尿病網膜症専門外来
– 医療安全管理リスクマネージャー
幕張久木元眼科開院
【資格】
日本眼科学会認定眼科専門医
水晶体嚢拡張リング認定医
難病指定医
ボトックス認定医(眼瞼痙攣、斜視)
光線力学療法認定医
【所属学会】
日本眼科学会
日本眼手術学会
日本白内障屈折矯正学会
日本網膜硝子体学会
日本糖尿病眼学会


