スマホの見えづらさは白内障のサイン?ブルーライトとの関係を徹底解説|幕張久木元眼科|千葉県千葉市の白内障手術、緑内障、糖尿病網膜症

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医療コラム

スマホの見えづらさは白内障のサイン?ブルーライトとの関係を徹底解説|幕張久木元眼科|千葉県千葉市の白内障手術、緑内障、糖尿病網膜症

スマホの見えづらさは白内障のサイン?ブルーライトとの関係を徹底解説

スマホを見ると目がかすむ…それは白内障のサインかもしれません

「最近、スマホの文字が見えづらくなった」「画面を見ていると目がかすむ」このような症状を感じていませんか?

スマートフォンやパソコンの長時間使用による目の不調は、現代社会で多くの方が抱える悩みです。単なる眼精疲労だと思っていたその症状が、実は白内障の初期サインである可能性もあります。

白内障は、目の中にある「水晶体」という透明なレンズが濁ってしまう病気です。60歳代で70%以上、80歳代ではほぼ全員に何らかの兆候が見られるといわれており、決して珍しい病気ではありません。

また、スマホから発せられる「ブルーライト」が目に与える影響についても、さまざまな情報が飛び交っています。本当にブルーライトは白内障の原因になるのでしょうか?

この記事では、スマホの見えづらさと白内障の関係、そしてブルーライトが目に与える影響について、眼科専門医の視点から詳しく解説します。

 

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白内障とは?見えづらさの原因を理解しましょう

 

白内障は、カメラのレンズにあたる「水晶体」が濁ってしまうことで起こります。

本来、水晶体は透明で、外から入ってきた光を網膜まで届ける働きをしています。しかし、加齢などにより徐々に濁り始めると、光がうまく通らなくなり、視界がかすんだり、物が二重に見えたりするようになるのです。

白内障の主な症状

白内障が進行すると、以下のような症状が現れます。

  • 視界が霞む、モノが見えづらい … 全体的に白くかすんだように見える
  • 以前よりも視界が眩しく感じる … 明るい場所で強いまぶしさを感じる
  • モノが二重に見える … 片目で見ても二重に見えることがある
  • 目が疲れる … 長時間の作業で疲労感が強くなる

ただし、軽度な白内障の場合、自覚症状がないケースも多くあります。「少し見にくいかな」と感じる程度で、日常生活に大きな支障がない段階では、白内障に気づかないこともあるのです。

白内障の原因

白内障の最も大きな原因は「加齢」です。年齢を重ねることで、水晶体のタンパク質が変性し、濁りが生じます。これは、ゆで卵の白身が透明に戻らないのと同じ現象で、一度発症すると自然治癒することはありません。

加齢以外にも、糖尿病や紫外線、外傷、生活習慣などがリスク因子とされています。

ブルーライトと白内障の関係…本当に原因になるのか?

スマホやパソコンから発せられる「ブルーライト」が、白内障の原因になるのではないかと心配される方も多いでしょう。

結論から申し上げると、現時点では、デジタルデバイスから発せられるブルーライトが白内障を引き起こしたり、その進行を促進したりするという科学的根拠はありません。

ブルーライトとは何か?

ブルーライトは、波長が短く、強いエネルギーを持つ青色の光です。スマートフォンやパソコン、LED照明から発せられますが、実は私たちが日常的に浴びるブルーライトの大部分は太陽光由来です。

デジタル機器から発せられるブルーライトの量は、太陽光と比べると比較的少量なのです。

米国眼科学会の見解

2018年の米国眼科学会の声明でも、デジタル機器から発せられるブルーライトが目に害を与えるという証拠はないと発表されています。

ただし、ブルーライトによる目への酸化ストレスが、水晶体の加齢性変化を早める可能性は指摘されています。長期間にわたり酸化ダメージが蓄積すると、タンパク質の変性が進み、透明度が低下することがあるのです。

現時点では「直接的な原因ではないが、間接的なリスク要因となる可能性がある」という理解が適切でしょう。

スマホ使用による目のトラブル…ブルーライト以外の影響

スマホやパソコンの長時間使用で起こる目の不調の多くは、ブルーライトそのものよりも、長時間の画面注視や使用環境が主な原因とされています。

眼精疲労と充血

長時間のデジタルデバイス使用によって目の筋肉が緊張し続けることで、眼精疲労を引き起こすことがあります。

眼精疲労は、目の痛みや重たさ、かすみ、充血などの症状を伴い、頭痛や肩こり、吐き気など全身の不調につながることもあります。

ドライアイの悪化

デジタルデバイスを見続けていると、まばたきの回数が減少します。通常、私たちは1分間に約15〜20回まばたきをしますが、スマホを見ているときは1/3にまで減るといわれています。

まばたきが減ると、目の表面を潤す涙の量が不足しやすくなり、ドライアイの症状が悪化することがあります。目の表面が傷ついたり乾燥したりするため、ゴロゴロする感覚や異物感を感じることもあるのです。

睡眠障害とメラトニン分泌の減少

夜間にデバイスを使用すると、体内時計を調整するホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、睡眠の質が低下することがあります。

特に就寝前にスマートフォンやパソコンを使用することで、入眠が遅れたり、眠りが浅くなったりするといわれています。

集中力低下と視覚ストレス

デジタルデバイスの使用による目の疲れや不快感は、集中力の低下や作業効率の悪化につながることがあります。長時間のデジタルデバイス使用により、視覚的なストレスが蓄積し、注意力が散漫になることもあるのです。

 

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白内障手術後のブルーライト対策…知っておきたいポイント

白内障の手術では、濁った水晶体を人工レンズに置き換えます。手術後はまぶしさを強く感じることがありますが、これは主に水晶体が濁っていた状態から透明な人工レンズに置き換わることで、より多くの光が網膜に到達するようになるためです。

これはブルーライト特有の現象ではなく、全体的な光の透過量の増加によるものです。

イエロー眼内レンズの役割

白内障手術で使用する眼内レンズには、ブルーライトをカットする機能を持つ「イエロー眼内レンズ」もあります。ただし、これが必ずしもすべての方に必要というわけではありません。

当院では、患者様の生活スタイル(運転頻度・読書・PC作業など)を丁寧にヒアリングし、最適なレンズ選びをサポートしています。

単焦点レンズと多焦点レンズの選択

眼内レンズには、大きく分けて「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」があります。

単焦点レンズは、最も見え方の質(コントラスト)が良いのが特徴です。ただし、ピントが合う距離は1ヵ所で、眼鏡の併用が必要になることが多いです。とはいえ、焦点が合った距離付近はよく見え、それから離れると少しずつぼやけてくる感じで、40歳代後半から感じる「老眼」と同じような感じです。

単焦点レンズでもある程度幅を持って見ることができますし、普段全く眼鏡が必要なくなった方もいらっしゃいます。

多焦点レンズは、複数の距離にピントが合い、眼鏡を使う頻度を減らせるのが利点です。ただし、見え方の慣れやレンズ費用が課題となります。

裸眼で車の運転も、近くのスマホの文字も見たい場合には単焦点レンズでは難しいと考えますので、多焦点レンズの組み合わせやモノビジョン法などをお勧めします。

日常生活でできるブルーライト対策と目の健康維持

ブルーライトを完全に避けることは難しくても、日常生活のなかで取り入れやすい対策によって、目への負担を軽減することは可能です。

ブルーライトカットメガネの活用

ブルーライトカットメガネは、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスから発せられるブルーライトを軽減する目的で広く普及しています。

ただし、近年の研究では、ブルーライトカットメガネが眼精疲労の軽減に及ぼす効果は限定的であると報告されています。2021年のランダム化比較試験では、ブルーライトカットメガネを使用しても、通常のクリアレンズと比較して有意な差は見られませんでした。

眼精疲労の主な原因はブルーライトではなく、長時間の近距離作業や不十分な瞬き、画面の明るさなど、他の要因が影響していると考えられています。

スマートフォンやパソコンの画面設定を調整する

スマホのバックライトを明るくしすぎない、ナイトモードを活用するなど、画面設定を工夫することで目の負担を軽減できます。

部屋の照明を明るくし、画面の明るさを調整することも大切です。

20-20-20ルールを実践する

「20分ごとに20秒間、20フィート(約6メートル)先を見る」という20-20-20ルールは、目の疲れを軽減するのに効果的です。

近くばかり見続けると、ピント調整機能が衰えるため、意識的に遠くを見る習慣をつけることが重要です。

適切な作業距離の確保

スマホ操作は少なくとも顔から40㎝以上離して操作するなど、適切な作業距離を保つことも大切です。

定期的な瞬きの意識

意識して瞬きを増やし、ドライアイの予防を心がけましょう。画面に集中すると、自然とまばたきの回数が減少してしまうため、意識的にまばたきをすることが大切です。

栄養素を意識した食事

目の健康を維持するためには、ルテインやアスタキサンチンなどの栄養素を摂ることも有効です。

  • ルテインが多い食品 … ほうれん草、ブロッコリー、卵黄
  • アスタキサンチンが多い食品 … 鮭、エビ、カニ

食事で補えない場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。

こんな症状があれば眼科を受診しましょう

以下のような症状がある場合は、白内障や他の目の病気の可能性がありますので、早めに眼科を受診することをおすすめします。

  • 視界が霞む、モノが見えづらい
  • 以前よりも視界が眩しく感じる
  • モノが二重に見える
  • 目が疲れる
  • スマホを見た後、遠くがぼやける
  • 目がかすむ・まぶしく感じることが増えた
  • 目の乾燥が気になり、充血しやすい

白内障以外の病気でも同様の症状が起こります。重大な目の病気があることがありますので、眼科を受診して検査を受けましょう。

幕張久木元眼科の白内障診断

当院では、視力検査、細隙灯検査、必要に応じて散瞳検査などで正確に判断することができます。

診察時に「どのくらい進んでいるのか」「手術が必要な状態か」を丁寧に説明し、目の状態に合わせた治療方針を提案しています。

散瞳検査後は3〜5時間ほど車の運転ができないため、来院時には公共交通機関の利用か、送迎の協力をお願いしています。

日帰り白内障手術に対応

幕張久木元眼科では、患者様の負担を最小限にするため日帰り手術を採用しています。

手術の流れは、角膜の端に2〜3ヶ所、小さな切開をつくり、濁った水晶体を超音波で砕いて吸い出し、透明な人工レンズ(眼内レンズ)を挿入します。現在の白内障手術は切開が2.4mm程度と非常に小さく、出血も少ない安全な治療です。

手術直後〜数日は、細菌感染の予防や点眼治療の継続が必要なため、こまめな経過観察を行い、患者様の不安を丁寧にサポートしています。

まとめ…スマホの見えづらさを感じたら早めの受診を

スマホの見えづらさは、単なる眼精疲労だけでなく、白内障の初期サインである可能性もあります。

ブルーライトと白内障の直接的な因果関係は現時点では証明されていませんが、長時間のデジタルデバイス使用は、眼精疲労やドライアイ、睡眠障害など、さまざまな目のトラブルを引き起こす可能性があります。

日常生活でできる対策を取り入れながら、「おかしいな」と感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。

幕張久木元眼科は、白内障の正確な診断、日帰り手術の実施、乱視矯正レンズの豊富な経験、術後ケアの手厚さを大切にしている地域密着型の白内障治療クリニックです。

「最近視界がかすむ」「まぶしさが強くなった」「運転が不安になってきた」このような症状がある方は、一度受診をおすすめします。

あなたの目の状態をしっかり確認し、最適な治療タイミングやレンズ選びを丁寧にご案内します。見えにくさを我慢して生活する必要はありません。少しでも「おかしいな」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。

あなたの生活が、もう一度明るくクリアに戻るように。私たちが寄り添い、しっかりサポートいたします。

著者情報

幕張久木元眼科 院長 久木元 延行

久木元 延行

経歴

獨協医科大学 医学部医学科卒業

東京医科歯科大学病院 臨床研修医

東京医科歯科大学 眼科学講座 入局

東京都立広尾病院 眼科

東京医科歯科大学病院 眼科

東京都立多摩総合医療センター 眼科

東京医科歯科大学病院 眼科

– 白内障・屈折矯正外来 主任

– 糖尿病網膜症専門外来

– 医療安全管理リスクマネージャー

幕張久木元眼科開院

資格

日本眼科学会認定眼科専門医

水晶体嚢拡張リング認定医

難病指定医

ボトックス認定医(眼瞼痙攣、斜視)

光線力学療法認定医

所属学会

日本眼科学会

日本眼手術学会

日本白内障屈折矯正学会

日本網膜硝子体学会

日本糖尿病眼学会