白内障手術で失敗しない病院選び|千葉市幕張の眼科医が教える7つのポイント
- 2025年11月19日
- 白内障

「白内障の手術を受けたいけれど、どの病院を選べばいいのかわからない・・・」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。白内障手術は日本国内で年間約140万件も行われている一般的な手術ですが、病院選びを間違えると、期待していた視力回復が得られなかったり、術後のトラブルに悩まされたりすることもあります。
私は東京医科歯科大学病院で白内障・屈折矯正外来の主任を務め、数多くの白内障手術を執刀してきました。現在は千葉市美浜区のイオンモール幕張新都心内で「幕張久木元眼科」を開院し、日々患者さんの「見える喜び」に寄り添っています。
この記事では、白内障手術で後悔しないための病院選びのポイントを、眼科専門医の視点から詳しく解説します。
白内障手術の病院選びが重要な理由
白内障手術は「どこで受けても同じ」ではありません。
手術自体は10分程度で完了する比較的短時間の処置ですが、その結果は今後の人生の「見え方」を大きく左右します。手術の技術レベル、使用する眼内レンズの種類、術前検査の精度、術後のフォロー体制・・・これらすべてが、最終的な満足度に直結するのです。
実際、同じ白内障の状態でも、執刀医の経験や病院の設備によって、術後の視力や満足度には大きな差が生まれます。特に多焦点眼内レンズを選択する場合は、レンズの種類や度数設定の精度が重要になるため、専門的な知識と豊富な経験を持つ医師を選ぶことが不可欠です。
手術件数だけでは判断できない
「年間手術件数が多い病院なら安心」と考える方もいらっしゃいますが、それだけでは不十分です。
手術件数が多くても、一人ひとりの患者さんに十分な時間をかけられなかったり、画一的な治療しか提供できなかったりする施設もあります。大切なのは、あなた自身の目の状態やライフスタイルに合わせた「オーダーメイドの医療」を提供してくれるかどうかです。
術後の生活の質を左右する選択
白内障手術後の見え方は、日常生活の質に直結します。
読書、運転、趣味の活動・・・これらすべてが、手術の成功によって再び楽しめるようになります。逆に、不適切な病院選びをしてしまうと、「思ったほど見えるようにならなかった」「まぶしさが改善されない」といった不満を抱えることになりかねません。
ポイント1:眼科専門医の資格と経験を確認する

白内障手術を受ける際、最も重要なのが執刀医の資格と経験です。
日本眼科学会が認定する「眼科専門医」の資格を持っているかどうかは、必ず確認しましょう。この資格は、一定の研修期間と症例経験を経て、厳しい試験に合格した医師のみが取得できるものです。
大学病院での専門外来経験の有無
さらに重要なのが、大学病院などの高度医療機関で白内障専門外来を担当していた経験があるかどうかです。
大学病院の専門外来では、難症例や合併症を持つ患者さんの手術も数多く経験します。私自身も東京医科歯科大学病院で白内障・屈折矯正外来の主任として、様々な症例に対応してきました。こうした経験は、予期せぬ事態が起きた際の対応力に直結します。
継続的な学習と技術向上への姿勢
医療技術は日々進歩しています。
学会への所属や学術活動への参加状況も、医師の質を判断する重要な指標です。日本眼科学会、日本白内障屈折矯正学会、日本眼手術学会などへの所属は、最新の知識と技術を習得し続けている証拠といえるでしょう。
ポイント2:眼内レンズの選択肢の豊富さ
白内障手術では、濁った水晶体を取り除いた後、人工の眼内レンズを挿入します。
このレンズ選びが、術後の見え方を大きく左右します。病院によって取り扱っているレンズの種類は異なるため、選択肢が豊富な施設を選ぶことが重要です。
単焦点レンズと多焦点レンズの違い
眼内レンズには大きく分けて「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」があります。
単焦点レンズは、遠くまたは近くのどちらか一方にピントを合わせるレンズで、保険適用となります。一方、多焦点レンズは遠近両方にピントが合うよう設計されており、眼鏡への依存度を減らせる可能性がありますが、自由診療となります。
乱視矯正レンズの重要性
見落とされがちですが、乱視矯正機能を持つレンズの有無も重要です。
当院では保険適用の乱視矯正可能な単焦点レンズも取り扱っています。軽度の乱視でも矯正することで、術後の見え方の質が大きく向上します。患者さんの負担額は通常の単焦点レンズと変わらないため、適応があれば積極的に使用すべきだと考えています。
ライフスタイルに合わせた提案力
どのレンズが最適かは、患者さんのライフスタイルによって異なります。
読書や細かい作業が多い方、運転の頻度が高い方、スポーツを楽しむ方・・・それぞれに適したレンズは異なります。豊富な選択肢の中から、あなたの生活に最も適したレンズを提案してくれる医師を選びましょう。
ポイント3:術前検査の充実度

白内障手術の成功は、術前検査の精度に大きく依存します。
どれほど優れた執刀技術を持つ医師でも、不正確な検査データに基づいて手術を行えば、期待通りの結果は得られません。充実した検査体制を持つ病院を選ぶことが、手術成功の第一歩です。
必要な検査項目
白内障手術前には、視力検査、眼圧検査、角膜形状解析、眼軸長測定など、様々な検査が必要です。
特に眼内レンズの度数を決定するための眼軸長測定は、最新の機器を使用しているかどうかが重要になります。測定精度が0.1mm違うだけで、術後の屈折度数に大きな影響が出るからです。
全身状態の確認も重要
目だけでなく、全身状態の確認も欠かせません。
糖尿病や高血圧などの全身疾患は、手術のリスクや術後の回復に影響を与える可能性があります。かかりつけの内科医と連携して、全身状態を把握した上で手術を行う体制が整っているかどうかも確認しましょう。
検査結果の丁寧な説明
検査を行うだけでなく、その結果を患者さんにわかりやすく説明してくれるかどうかも重要です。
あなたの目の状態、手術の必要性、期待できる効果、起こりうるリスク・・・これらを十分に理解した上で手術を受けることが、満足度の高い結果につながります。
ポイント4:日帰り手術か入院手術か
白内障手術は、日帰りで行う施設と入院を必要とする施設があります。
どちらが良いかは一概には言えず、患者さんの状態や生活環境によって異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で選択しましょう。
日帰り手術のメリット
日帰り手術の最大のメリットは、日常生活への影響が少ないことです。
当日は手術後しばらく休んでいただき、問題がなければそのままご帰宅いただけます。翌日から通常の生活に戻れる方が多く、仕事や家事への影響を最小限に抑えられます。また、入院費用がかからないため、経済的負担も軽減されます。
入院が必要なケース

ただし、すべての方が日帰り手術に適しているわけではありません。
高齢で一人暮らしの方、術後の管理に不安がある方、合併症のリスクが高い方などは、入院での手術が推奨される場合があります。基本的には日帰り手術を行いつつ、必要に応じて入院にも対応できる施設が理想的です。
術後のフォロー体制
日帰り手術の場合、術後のフォロー体制が特に重要になります。
翌日、1週間後、1ヶ月後など、適切なタイミングで経過観察を行い、問題があればすぐに対応できる体制が整っているかどうかを確認しましょう。また、緊急時の連絡先が明確になっているかも重要なポイントです。
ポイント5:アクセスの良さと通院のしやすさ
白内障手術は、一度きりの通院で終わるものではありません。
術前検査、手術当日、術後の経過観察・・・複数回の通院が必要になります。そのため、アクセスの良さは病院選びの重要な要素となります。
駐車場の有無と公共交通機関
車で通院される方は、駐車場の有無や駐車料金を確認しましょう。
当院はイオンモール幕張新都心内にあるため、駐車場が完備されており、車での通院も便利です。また、公共交通機関を利用される方は、最寄り駅からのアクセスや、バス路線の有無も確認しておくと良いでしょう。
待ち時間への配慮
通院のしやすさには、待ち時間への配慮も含まれます。
当院では最新のWEB予約システムを導入しており、待ち時間をイオンモールでのショッピングに活用していただけます。ホームページや受付外のモニターで自分の待ち時間をいつでも確認できるため、待合室での密集を防ぎながら、有効に時間を使っていただけます。
診療日と診療時間
土日祝日の診療に対応しているかどうかも、通院のしやすさに影響します。
平日は仕事で忙しい方にとって、土日祝日に診療を受けられることは大きなメリットです。当院は月・水・木・金・土・日曜日および祝日に診療を行っており、日曜・祝日も午後の診療に対応しています。
ポイント6:院内設備とバリアフリー対応

白内障は主に高齢の方に多い疾患です。
そのため、院内のバリアフリー対応や設備の充実度も、病院選びの重要なポイントとなります。安心して通院できる環境が整っているかどうかを確認しましょう。
バリアフリー設計の重要性
車椅子や杖を使用されている方、足腰に不安がある方にとって、バリアフリー設計は必須です。
当院は院内バリアフリー設計となっており、段差のない設計で安心してご来院いただけます。また、イオンモール内という立地のため、エレベーターやエスカレーターも利用でき、移動の負担が少ない環境です。
最新の医療機器
手術の安全性と精度を高めるためには、最新の医療機器が不可欠です。
超音波白内障手術装置、手術用顕微鏡、眼軸長測定装置など、最新の機器を導入しているかどうかも確認ポイントです。機器の性能が高いほど、より安全で精密な手術が可能になります。
清潔で快適な院内環境
清潔感のある院内環境は、感染症予防の観点からも重要です。
待合室や診察室、手術室の清潔さ、換気システムの整備状況なども、実際に訪れた際にチェックしてみましょう。快適に過ごせる環境が整っているかどうかは、通院のストレスを軽減する上で大切な要素です。
ポイント7:患者さん一人ひとりに寄り添う姿勢
最後に、そして最も重要なのが、医師やスタッフが患者さん一人ひとりに寄り添う姿勢を持っているかどうかです。
どれほど技術が優れていても、患者さんの不安や希望に耳を傾けず、画一的な治療しか提供しない施設では、満足のいく結果は得られません。
十分な説明と同意
手術前には、十分な時間をかけて説明を受けることが重要です。
手術の方法、使用するレンズの種類、期待できる効果、起こりうるリスク、費用・・・これらすべてについて、納得できるまで説明を受け、質問できる環境があるかどうかを確認しましょう。インフォームドコンセント(十分な説明と同意)は、医療の基本です。
オーダーメイドの医療提供
私が最も大切にしているのは、患者さんの希望をよく聞き、一人ひとりにオーダーメイドの医療を提供することです。
同じ白内障でも、患者さんの年齢、職業、趣味、生活環境は異なります。それぞれの方に最適な治療法やレンズを提案するためには、丁寧なカウンセリングが欠かせません。「高度医療をあたたかく提供する」「自分が受けたい眼科診療」という理念のもと、一人ひとりに向き合う姿勢を大切にしています。
術後のサポート体制
手術が終わったら終わり、ではありません。
術後の経過観察、見え方の調整、眼鏡処方など、継続的なサポートが必要です。長期的に患者さんの目の健康を守っていく姿勢があるかどうかも、病院選びの重要なポイントです。
まとめ:あなたに最適な病院を見つけるために
白内障手術で失敗しない病院選びの7つのポイントをご紹介しました。
眼科専門医の資格と経験、眼内レンズの選択肢、術前検査の充実度、日帰り手術への対応、アクセスの良さ、院内設備、そして患者さんに寄り添う姿勢・・・これらすべてが、満足のいく手術結果につながります。
白内障は誰にでも起こりうる加齢による変化です。「見えにくさ」を感じたら、早めに眼科を受診し、適切な時期に手術を受けることが大切です。
千葉市幕張周辺で白内障手術をお考えの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。患者さん一人ひとりの生活が、再び明るく見えるようサポートいたします。
白内障手術について詳しく知りたい方、ご自身の目の状態を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。WEB予約システムもご利用いただけます。
詳細はこちら:幕張久木元眼科
著者情報
幕張久木元眼科 院長 久木元 延行

経歴
獨協医科大学 医学部医学科卒業
東京医科歯科大学病院 臨床研修医
東京医科歯科大学 眼科学講座 入局
東京都立広尾病院 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
東京都立多摩総合医療センター 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
– 白内障・屈折矯正外来 主任
– 糖尿病網膜症専門外来
– 医療安全管理リスクマネージャー
幕張久木元眼科開院
資格
日本眼科学会認定眼科専門医
水晶体嚢拡張リング認定医
難病指定医
ボトックス認定医(眼瞼痙攣、斜視)
光線力学療法認定医
所属学会
日本眼科学会
日本眼手術学会
日本白内障屈折矯正学会
日本網膜硝子体学会
日本糖尿病眼学会


