白内障の自己診断チェックリスト〜早期発見のために
- 2025年7月28日
- 白内障
白内障とは?症状の基本を理解しよう
白内障は、目の中の水晶体が濁ってしまう病気です。水晶体はカメラのレンズのような役割を担い、外からの光を集めてピントを調節する機能があります。この水晶体が濁ることで、視界がぼやけたり、まぶしさを感じたりするようになります。
実は白内障は、50代では約40〜50%、60代では70〜80%、70代では80〜90%、80歳以上ではほぼ100%の方に症状が見られる非常に一般的な眼の病気なのです。
白内障の主な原因は加齢ですが、糖尿病やステロイド剤の長期使用、紫外線の影響、外傷などによっても発症することがあります。特にステロイド剤による白内障は進行が早く、数ヶ月で症状が現れ、1年で手術が必要になるケースもあります。
残念ながら、白内障は自然に治ることはありません。濁った水晶体は透明な状態に戻らないのです。現在のところ、白内障を完全に治す方法は手術しかありません。
では、あなたは白内障になっているかもしれないのでしょうか?
白内障の自己診断チェックリスト10項目
以下のチェックリストで、自分の目の状態を確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど、白内障の可能性が高くなります。
- 視界がかすんだりぼやけたりする:新聞や本を読むとき、文字がぼやけて見えることがありませんか?
- まぶしさを強く感じる:晴れた日の外出や、夜間の対向車のライトに異常なまぶしさを感じますか?
- 色の見え方が変わった:以前より色が褪せて見えたり、黄色っぽく見えたりしませんか?
- 近くが見えにくくなった:老眼鏡をかけても活字が読みにくいと感じることはありませんか?
- 眼鏡を作り直しても合わない:何度メガネを変えても、すぐに合わなくなりませんか?
- 夜間や暗い場所での視力低下:暗い場所で特に見えにくさを感じませんか?
- ものが二重・三重に見える:片目で見たとき、月や照明などが二重、三重に見えることはありませんか?
- 左右の目で見え方が違う:片方の目だけが見えにくいと感じることはありませんか?
- 視力が急に変化した:最近、急に視力が低下したと感じませんか?
- 老眼が改善した:不思議なことに、以前より近くが見えるようになったと感じませんか?
これらの項目のうち、3つ以上当てはまる場合は白内障の可能性があります。5つ以上当てはまる場合は、白内障の可能性がかなり高いと考えられます。
あなたはいくつ当てはまりましたか?
白内障の症状が進行するとどうなるの?
白内障は進行が緩やかなため、初期段階では自覚症状がほとんどありません。水晶体の濁りは外周から始まり、中心部がまだ透明な段階では日常生活に支障をきたすことは少ないのです。
しかし、濁りが進行すると次第に以下のような症状が現れてきます。
初期〜中期の症状
初期から中期にかけては、視力の低下が徐々に進みます。メガネの度数を調整しても改善しにくくなり、目が疲れやすくなります。また、光がまぶしく感じられるようになり、特に夜間の運転時に対向車のライトがまぶしく感じられることが特徴です。
水晶体の濁り方には個人差があり、進行の速さも人によって異なります。ステロイド剤の使用や糖尿病がある方は、進行が早くなる傾向があります。
進行期の症状
白内障が進行すると、視界全体がかすんで見え、日常生活に支障をきたすようになります。テレビの字幕が読みづらい、人の顔がはっきり見えない、運転中に標識が見えにくいなどの症状が現れます。
さらに進行すると、水晶体が完全に白く濁り、最終的には視力が著しく低下します。この段階になると、手術の難易度も上がってしまうため、症状に気づいたら早めに眼科を受診することをお勧めします。
白内障の早期発見が重要な理由
白内障は早期に発見することで、適切な対応が可能になります。初期段階では、点眼薬による治療で進行を遅らせることができる場合もあります。また、手術のタイミングを適切に判断することで、より良い視力回復が期待できます。
白内障を放置すると、単に視力が低下するだけでなく、緑内障や水晶体融解性ぶどう膜炎などの合併症を引き起こすリスクもあります。世界的に見ると、白内障は失明原因の第一位とされており、決して軽視できない病気なのです。
私は大学病院や都立病院で数多くの白内障患者さんを診てきましたが、早期発見・早期治療によって良好な視力を取り戻された方がたくさんいらっしゃいます。
白内障の手術は、現在では2.4mm程度の極小切開で行われ、出血もほとんどなく比較的安全に行えるようになっています。手術時間も通常10分程度と短く、日帰りで受けられるのが一般的です。
自己診断チェックリストで気になる症状があった方は、ぜひ早めに眼科を受診してください。専門的な検査を受けることで、白内障の有無や進行度を正確に診断することができます。
まとめ:白内障の早期発見で視力を守ろう
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる眼の病気です。50歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。自己診断チェックリストで3つ以上当てはまる項目があった方は、早めに眼科を受診することをお勧めします。
現代の白内障手術は安全性が高く、適切な時期に手術を受けることで、多くの方が良好な視力を取り戻しています。視力の低下を感じたら、「年のせいだから」と諦めず、専門医に相談してください。
目は私たちの生活の質を大きく左右する大切な感覚器官です。定期的な検診と早期対応で、いつまでも明るく見える世界を維持していきましょう。
詳しい診断や治療については、専門の眼科医院での診察をお勧めします。幕張久木元眼科では、患者さん一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの医療を提供しています。白内障でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
詳細は幕張久木元クリニックをご覧ください。
著者情報
幕張久木元眼科 院長久木元 延行
獨協医科大学 医学部医学科卒業
東京医科歯科大学病院 臨床研修医
東京医科歯科大学 眼科学講座 入局
東京都立広尾病院 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
東京都立多摩総合医療センター 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
– 白內障 •屈折矯正外来 主任
-糖尿病網膜症專門外来
– 医療安全管理リスクマネージャー
幕張久木元眼科開院