白内障はスマホで進行する?気になる症状と予防のポイントを専門医が解説
- 2025年11月9日
- 白内障
白内障とスマホ利用の関係は、多くの中高年層にとって気になるテーマです。画面を長時間見続けると目が疲れやすくなり、視界のかすみやまぶしさを感じる場合があります。
直接的な原因ではなくても、生活習慣や眼精疲労が重なることで症状を悪化させる可能性は否定できません。本記事では、スマホ使用と白内障の関係、症状の見分け方、予防法や治療の選択肢を整理し、快適な視生活を送るためのポイントを詳しく解説します。
白内障とスマホ使用の関係を正しく理解する

白内障とスマホ利用の関係は、多くの人が不安を抱くテーマです。直接的な因果関係はまだ明らかになっていませんが、スマホの長時間使用が視機能に与える影響は無視できません。
眼精疲労や生活習慣による影響が重なれば、白内障の進行や発症リスクに関心が高まります。ここでは病気の基本を整理したうえで、スマホ利用との関係を考え、理解を深められるようにまとめます。
白内障とはどんな病気か
白内障は水晶体と呼ばれる目のレンズ部分が濁ってしまう病気です。水晶体は透明で光を網膜に届ける働きを担っています。加齢や生活習慣、外傷、糖尿病などによって透明性が失われると、視界がかすみ、二重に見えるようになります。
結果として視力が低下し、日常生活に不自由を感じるのです。高齢者に多く発症し、手術を必要とする例が増えています。もっとも多い原因は加齢ですが、紫外線や喫煙も影響します。
眼鏡を調整しても改善しない視力低下が続く場合は、白内障が疑われるでしょう。治療法としては、濁った水晶体を除去し眼内レンズを挿入する手術が一般的です。進行の速さには個人差があり、定期的な眼科検査を受けて経過を把握することが大切です。
スマホが直接的に白内障を引き起こす?
スマホの使用と白内障の発症を直接結びつける科学的根拠は確認されていません。白内障は主に加齢による水晶体の変化が原因です。
ただし、長時間の画面注視で目の疲れや乾燥が強まり、自覚症状として見えにくさが増すことがあります。光の眩しさを感じやすい人は、白内障の有無にかかわらず不快感を覚えやすいといえます。加えて、ブルーライトが白内障の要因になるとは断定できませんが、目にストレスを与える可能性は否定できません。
すなわち、スマホ利用が直接白内障を引き起こすとはいえない一方で、視覚的な負担が症状を悪化させる恐れはあります。そのため、使用環境を調整しながら目を守る姿勢を持つことが重要です。
間接的にスマホ利用が目に与えるリスク
スマホ利用が直接白内障を作り出すとはいえませんが、間接的なリスクは存在します。長時間の近距離作業で調節機能が酷使され、眼精疲労やドライアイが悪化しやすくなります。
結果として視界がぼやけたり、焦点が合いにくくなったりするのです。光の強い画面を夜間に使用すると、睡眠リズムに悪影響を与えるだけでなく、目に強い刺激が加わります。加えて、姿勢の悪さが肩こりや頭痛を増加させ、全身の不調にもつながります。
白内障は生活習慣全般と関連するため、スマホの使い方にも注意が必要です。たとえば、休憩を意識して取り入れる、画面の明るさを調整するなどで負担を軽減できます。
スマホ利用で気づきやすい白内障の症状

スマホを使っているときに見え方の変化を感じる人は少なくありません。加齢による変化や白内障の初期症状が重なった場合、スマホ画面を通じて異常に気づくこともあります。
とくに視界のかすみや光のまぶしさは進行の合図となる可能性があります。ここではスマホ使用中に気づきやすい症状を整理し、眼精疲労や一時的な不調との違いを見ていきましょう。
視界のかすみやぼやけに注意する
白内障の代表的な症状として、物がかすんで見える状態があります。水晶体の濁りによって光の通り道が妨げられ、全体が白いフィルターを通したように見えるのです。
スマホを使っていると文字がにじんで読みにくくなったり、焦点を合わせるのに時間がかかったりします。とくに明るい場所では症状が目立ちやすく、眼鏡をかけても改善しない場合は注意が必要です。加えて、画面を拡大しても見づらいと感じるケースも多くあります。
眼精疲労だけであれば休憩後に回復することもありますが、白内障では症状が持続する傾向があります。少しでも違和感が長引く場合には、早めに眼科を受診して検査を受けましょう。
まぶしさや夜間の見えにくさが進行のサイン
白内障が進むと、光が散乱することで強いまぶしさを感じやすくなります。スマホの画面を見たときに明るさが必要以上に眩しく感じたり、外出時に太陽光が辛くなったりするのが、白内障が進行しているサインです。
また、夜間に光がにじんで見えるため、街灯や車のライトが広がって見えることもあります。加えて、暗い環境でスマホを使用する際に、画面の光が強烈に刺激となり、視覚的なストレスを増やすでしょう。
眼精疲労でも一時的にまぶしさを感じる場合はありますが、白内障の場合は改善せず徐々に悪化していく特徴があります。見え方に不自然さを覚えるようであれば、単なる疲れではなく進行のサインとして受け止め、受診を検討する必要があります。
一時的なスマホ疲れと白内障の違い
スマホ使用による一時的な目の疲れと白内障は似た症状を示すことがあります。長時間画面を見続けると、乾燥やピント調節の疲れから視界がぼやけることがあります。休憩を取ったり点眼で潤いを補給したりすると改善するのが特徴です。
反対に白内障は水晶体そのものが濁っているため、休息をとっても見え方の不調が続きます。画面がにじんで見えたり、色のコントラストが低下して鮮明さが失われたりすることもあります。さらに暗い場所や逆光下で症状が強まる傾向もあります。
眼精疲労では回復するのに対し、白内障では進行が止まらない点が大きな違いです。スマホの使用で不調を自覚したとき、回復の有無を確認することが早期発見につながります。違和感が続く場合には医師の診察を受けましょう。
スマホ世代が抱える白内障のリスク要因

スマホ利用そのものが白内障を直接的に生じさせるわけではありません。しかし、生活習慣や環境要因と重なることで、進行を早める可能性があると考えられます。
長時間の使用による眼精疲労、ブルーライトの影響、生活習慣病や紫外線など多くの要素が関わります。ここではスマホを日常的に使う世代が意識すべきリスクについて整理します。
長時間使用による眼精疲労やドライアイ
スマホを長時間使用すると、目の調節機能が酷使され、疲労感が強まります。瞬きの回数が減ることで涙の量が不足し、ドライアイを引き起こす場合も少なくありません。
眼精疲労が慢性化すると集中力が落ち、頭痛や肩こりにもつながります。白内障の直接的な原因にはなりませんが、見え方の質を悪化させるため、進行を早く自覚することがあるでしょう。
また、乾燥による角膜表面のトラブルが加わると、より強い不快感を覚えます。さらに、目の不調から生活の質も低下します。長時間利用を避け、意識的に休憩を取り入れることが重要です。定期的な瞬きや人工涙液の使用も予防に役立つ習慣です。
ブルーライトの影響と誤解されやすい点
スマホの画面から発せられるブルーライトは、目への負担が大きいとよくいわれます。実際には網膜まで到達する光であり、長時間浴び続けることで眼精疲労や睡眠障害の一因になる可能性があります。ただし、白内障そのものを直接引き起こす証拠は示されていません。すなわち、ブルーライトが白内障の原因と考えるのは誤解といえます。
それでも目に刺激を与えやすい点は事実であり、過剰に浴びる習慣は避けるべきです。加えて、画面の輝度を下げたりブルーライトカット眼鏡を使用したりする工夫は、疲れを和らげる効果が期待できます。
反対に、まったく対策を取らずに使用を続ければ、見えにくさや疲労を自覚する頻度が増えます。白内障予防に直結しなくても、快適な視生活のために調整を意識しましょう。
喫煙・紫外線・糖尿病など生活習慣との関連
白内障は生活習慣や健康状態とも深く関わります。喫煙は酸化ストレスを高め、水晶体の濁りを進めると知られています。紫外線を浴び続けることも水晶体に負担を与え、発症リスクを増やします。
さらに糖尿病を持つ人は血糖コントロールが不安定になると進行しやすく、若い年齢でも発症する場合があるので注意が必要です。スマホの使用に加えて、生活習慣病や環境因子が重なれば、白内障の進行は加速する恐れがあります。
たとえば屋外活動が多い人はサングラスで紫外線を防ぎ、禁煙を心がけることが予防に直結します。加えて、血糖管理を徹底することも欠かせません。生活全体を見直すことで、スマホ利用による間接的なリスクを抑えられます。日常の行動を意識的に変えることが目の健康を守る近道になるでしょう。
白内障を予防するためのスマホとの付き合い方

白内障は加齢が主な原因とされますが、生活習慣を工夫することで進行を遅らせる可能性があります。スマホを使う場面は日常生活の中で避けられないため、どのように負担を減らすかが大切です。
目を休ませる習慣や環境の調整、生活習慣の改善を意識すれば、白内障だけでなく眼精疲労やドライアイの予防にも役立ちます。ここでは具体的な取り組みを解説します。
20-20-20ルールでこまめに目を休ませる
スマホの画面を長時間見続けると、ピント調節を担う毛様体筋が疲弊し、眼精疲労が生じやすくなります。改善方法のひとつとして知られているのが「20-20-20ルール」です。
20分ごとに画面から視線を外し、6メートルほど先の対象を20秒間見るという習慣を取り入れる方法です。短時間でも遠くに焦点を合わせることで筋肉の緊張が和らぎ、視界のかすみを防げます。
加えて、目を閉じて軽く休むことも効果的です。とくに仕事や趣味で長く画面を見る人は、意識的にこのルールを実践すると目の負担を抑えられます。反対に休憩を取らずに使用を続ければ、視力低下の進行や不快感を感じやすくなります。簡単に取り入れられる習慣として積極的に実践しましょう。
画面との距離や明るさを調整する工夫
スマホを顔に近づけすぎると調節力に過剰な負担がかかります。理想的な距離は30センチ前後であり、無理のない姿勢を保てる範囲で画面を見ることが推奨されます。
さらに画面の明るさは周囲の環境に合わせて調整することが重要です。暗い場所で明るい画面を見続けると眩しさが強まり、白内障がある人は症状を悪化させやすくなります。
反対に明るすぎる場所で暗い画面を見るとピントを合わせる負担が増します。加えて、文字サイズを大きく設定することで読みやすさを確保できます。姿勢や視距離を整えるだけでも負担は大きく軽減されるでしょう。
日常的にスマホを利用しても目に過度のダメージを与えにくくなります。快適な環境作りを心がけることが予防の第一歩です。
夜間利用やブルーライト対策の実践
夜間のスマホ使用は、光の刺激が強いため白内障の症状を持つ人にとってとくに負担が大きくなります。暗い場所で画面を直視すると眩しさが増し、睡眠の質も低下します。そのため、夜は画面の明るさを落とす、ナイトモードを設定するなどの工夫が有効です。
ブルーライトに関しては直接的な白内障の原因とはいえませんが、網膜に届く刺激として負担を与えやすいと考えられています。ブルーライトカット眼鏡やフィルターを取り入れると快適性が向上するでしょう。
さらに、就寝直前の使用を避ければ体内時計の乱れも防げます。眼精疲労や不眠の悪循環を断ち切るためには、夜間利用を控え、光環境を整える意識が欠かせません。安心してスマホを活用するために日常的に実践しましょう。
食生活や生活習慣を見直す重要性
白内障の進行を抑えるにはスマホの使い方だけでなく、体全体の健康管理も欠かせません。ビタミンCやビタミンEなど抗酸化作用のある栄養素を含む食事は水晶体の酸化を防ぐはたらきが期待できます。緑黄色野菜や果物を積極的に取り入れることが有効です。
さらに禁煙や節度ある飲酒、十分な睡眠といった生活習慣の改善も予防に直結します。紫外線を避けるためにサングラスを着用することも目を守るために有効です。反対に不規則な生活や偏った食事を続けると酸化ストレスが高まり、白内障のリスクが増します。
スマホ利用に伴う負担を軽減するだけでなく、生活全体を整えることが重要です。
白内障治療とスマホ使用を両立させる方法

白内障は進行すると手術が必要になる場合がありますが、治療とスマホ使用を上手に両立する工夫を取り入れることで日常生活を快適に保てます。点眼薬による進行抑制、手術での視力改善、治療後の生活管理まで幅広い対応が求められます。
ここでは白内障の治療法とスマホ利用の関わりについて段階的に見ていきましょう
点眼薬で進行を遅らせられるのか
白内障に対する点眼薬は、進行を完全に止めるものではありません。ただし、水晶体の酸化を抑える作用を持つ薬剤を使用することで、症状の進み方を緩やかにすることが期待されています。スマホを使う際に視界のかすみが気になる人は、こうした点眼薬によって見え方が少し安定する可能性もあります。
しかし薬だけで改善するわけではなく、あくまでも補助的な役割です。定期的な眼科受診と併用することで、治療効果を正しく評価できます。さらに、点眼を忘れず継続することが大切です。自己判断で使用を中止すると症状が悪化する恐れがあります。
点眼薬を用いる場合には、スマホ利用の工夫も合わせて取り入れると、進行を遅らせながら快適に過ごせるでしょう。
手術のタイミングと眼内レンズの選択肢
白内障手術は視力の低下で日常生活に支障が出た段階で検討されます。視力が眼鏡で補正できないほど低下し、読書やスマホ利用に困難を感じる場合が判断の目安です。手術では濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入します。
レンズには単焦点と多焦点があり、生活スタイルに応じて選択可能です。単焦点は保険適用で費用を抑えられる一方、近距離や遠距離のどちらかに焦点を合わせる必要があります。多焦点は追加費用がかかりますが、近くと遠くの両方に対応できるため、スマホや読書といった近距離作業が快適になる場合があります。
もっとも適したレンズは年齢、生活習慣、仕事の内容などによって異なるため、医師と十分に相談しましょう。
治療後にスマホと向き合う際の注意点
手術後は視力が改善し、スマホの文字も見やすくなります。ただし回復直後は目に負担をかけやすいため、使用時間を徐々に増やすことが大切です。明るすぎる画面を避け、文字サイズを大きめに設定することも有効です。
さらに、乾燥を防ぐために人工涙液を利用したり、定期的に休憩を取ったりする習慣を取り入れましょう。治療後は細菌感染や炎症のリスクが残るため、医師から処方された点眼薬を忘れずに使用する必要があります。
加えて、無理に小さな文字を読み続けることは避けましょう。視力が安定するまでの数週間は慎重に使用を調整することで、快適なスマホ生活を取り戻せます。適切な工夫を重ねれば、治療後も安心して活用できます。
専門医に相談すべき症状とは
白内障治療を受けた後も、異常を感じた場合には早めの受診が欠かせません。たとえば視界が急にかすむ、強い痛みがある、光を極端に眩しく感じるといった症状があれば注意が必要です。
また、手術後に視力が安定しない、二重に見える、炎症で充血が続く場合も放置してはいけません。スマホ利用中に文字が極端に読みにくくなったり、焦点が合わせにくくなったりする際にも、自己判断せず医師に確認しましょう。
白内障以外の眼疾患が隠れている場合もあるため、早期発見が視力を守るポイントです。さらに、糖尿病や緑内障など他の持病を持つ人はとくに注意が必要です。小さな変化でも相談する姿勢が大切です。定期的な受診を続けることで長期的に安心して生活できます。
まとめ|白内障のことなら幕張久木元眼科へご相談ください

白内障は加齢に伴って誰にでも起こり得る病気ですが、スマホ利用による眼精疲労や生活習慣の影響が重なることで見え方の不調を強く自覚する場合があります。直接的にスマホが原因となるわけではありませんが、まぶしさやかすみを悪化させる要因にはなり得ます。
日常生活の中で視界の違和感が長引くときには眼科での検査が欠かせません。予防には適切な休憩や画面環境の調整、生活習慣の改善が役立ちます。
さらに、治療や手術を通して快適な視力を取り戻すことも可能です。正しい知識と実践的な工夫を積み重ねることで、スマホを使いながらも安心して暮らせる環境を整えられるでしょう。
幕張久木元眼科では、日帰り白内障手術に対応し、多焦点眼内レンズを含む幅広い選択肢を用意しています。院内はバリアフリー設計で車椅子でも通院しやすく、最新の医療機器を備えて精密な検査と治療を行っています。
土日祝日も診療を行っているため、忙しい方でも通いやすい環境です。白内障や視力に不安を感じたときには、早めに相談して適切な治療につなげましょう。


