白内障は何歳から? 専門医が教える発症年齢と早期発見のポイント
- 2025年12月27日
- 白内障
「最近、なんだか目がかすむ…」「もしかして白内障?」多くの方が抱える不安、それは白内障かもしれません。白内障は、誰もが発症する可能性がある目の病気です。
この記事では、「白内障は何歳から?」という疑問を解決するために、専門医監修のもと、年齢別の発症リスク、初期症状、治療法、手術費用、そして予防策まで、詳しく解説します。あなたの目の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。
白内障は何歳から発症する?

白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる目の病気ですが「一体何歳くらいから発症するのだろう?」と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、年齢別の白内障発症率と、若年層での発症について詳しく解説します。
年齢別の白内障発症率
白内障の主な原因は加齢であり、年齢が上がるにつれて発症率は顕著に上昇します。一般的に、40代から白内障の初期変化が見られ始め、50代に入るとその傾向はさらに強まります。
厚生労働省のデータなどによると、白内障の発症率は以下のようになっています。
- 40代: 約30%
- 50代: 約50%
- 60代: 約80%
- 70代: 約90%
- 80代以上: ほぼ100%
これらの数値からもわかるように、60代以上ではほとんどの方が白内障を発症しているか、またはその兆候が見られる状態です。しかし、症状の進行度合いには個人差が大きいため、一概に「この年齢になったら手術が必要」というわけではありません。
定期的な眼科検診で、ご自身の目の状態を把握することが大切です。
若年性白内障について
白内障は高齢者に多い病気ですが、稀に若い世代でも発症する事例があります。これを「若年性白内障」と呼びます。若年性白内障は、加齢以外の様々な要因によって引き起こされます。
主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- アトピー性皮膚炎: 重度のアトピー性皮膚炎がある場合、目の周りをこする刺激や炎症が原因となることがあります。
- ステロイド薬の使用: 全身性の病気治療などでステロイド薬を長期的に使用している場合、副作用として白内障を引き起こすことがあります。
- 外傷: 目に強い衝撃や外傷を受けたことが原因で、白内障を発症することがあります。
- 糖尿病: 糖尿病の合併症として、若年でも白内障が進行することがあります。
- 遺伝: 先天性の白内障や、遺伝的要因によって若くして発症するケースもあります。
若年性白内障は、通常の加齢性白内障とは異なる進行を示すことがあり、早期の発見と適切な治療が重要です。若い方でも見え方に異常を感じたら、放置せずに眼科を受診しましょう。
白内障の初期症状と進行
白内障は、初期段階では自覚症状がほとんどないこともありますが、進行するにつれて日常生活に支障をきたす様々な症状が現れます。ここでは、白内障の代表的な初期症状と、病気の進行段階について詳しく解説します。
白内障の初期症状チェック
白内障の初期症状は、目の状態が変化しているサインです。以下のような症状に心当たりがある場合は、白内障の可能性があるため、セルフチェックしてみましょう。
- 目がかすむ、ぼやけて見える
- 光がまぶしく感じる(羞明)
- 物が二重、三重に見える(単眼性複視)
- 視力の低下
- 色が薄く、黄ばんで見える
これらの症状は徐々に進行するため、気づかないうちに悪化していることも少なくありません。少しでも気になる症状があれば、早めに眼科を受診することが大切です。
白内障の進行段階
白内障は、その進行度合いによっていくつかの段階に分けられます。
初期の段階では水晶体の濁りはまだ軽く、自覚症状はほとんどありません。視力の低下もごくわずかで、日常生活に大きな支障を感じることは少なく、健康診断や眼科検診で偶然見つかるケースが多くみられます。
成熟期(中期)へ進むと濁りが目立ち始め、視力低下が明らかになります。視界のかすみやまぶしさ、物が二重に見えるといった症状が強まり、夜間の運転や細かな作業が困難になるなど、生活の中で不便さを感じるケースも多いでしょう。
この段階になると手術を検討することが一般的です。さらに過熟期(後期)まで進むと水晶体全体が白く濁り、視力が著しく低下します。光をほとんど感じられない状態に近づき、水晶体が硬くなると、緑内障などの合併症を招くリスクが高まります。
白内障の進行速度は個人差が大きい点が特徴です。急速に進む場合もあれば、非常にゆっくり進むこともあります。定期的に眼科を受診して自身の状態を把握し、適切な治療タイミングを見極めることが何より大切です。
白内障の検査と診断
白内障の症状に心当たりがある場合、早期に眼科を受診し、適切な検査と診断を受けることが大切です。ここでは、眼科で行われる主な検査の流れと、それぞれの検査で何がわかるのかを詳しく解説します。
眼科での検査の流れ
眼科での白内障検査は、現在の目の状態を正確に把握し、適切な治療方針を決定するために欠かせません。主に以下のような検査が行われます。
- 視力検査: 白内障による視力低下の度合いを測ります。通常の視力だけでなく、コントラスト感度(物の濃淡を見分ける能力)も測定することがあります。
- 眼圧検査: 目の中の圧力(眼圧)を測定します。白内障の進行とは直接関係ありませんが、緑内障など他の目の病気の有無を確認するために行われます。
- 細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ): 細い光を目に当て、医師が顕微鏡で目の内部を詳しく観察する検査です。水晶体の濁りの種類、位置、程度を直接確認し、白内障の診断に最も重要な検査の一つです。
- 眼底検査: 瞳孔を開く目薬を点眼し、目の奥にある網膜や視神経の状態を詳しく調べます。白内障以外の目の病気がないか、また白内障手術が可能かどうかを判断するために行われます。
- 角膜内皮細胞検査: 手術の適応や術後のリスクを評価するために、角膜の最も内側にある細胞の状態を調べます。
- Aモード/Bモード超音波検査: 水晶体の濁りがひどく、眼底が見えにくい場合に、目の内部の状態を超音波で確認します。
これらの検査結果を総合的に判断し、医師が白内障の診断を下します。検査は通常、短時間で終わり、痛みもほとんどありませんのでご安心ください。
白内障の治療法

白内障の治療は、その進行度合いや患者様の目の状態、生活スタイルによって選択肢が異なります。ここでは、手術以外の治療法と、最も一般的な治療法である手術について詳しく解説します。
手術以外の治療法(薬、点眼薬など)
白内障の初期段階では、進行を遅らせることを目的とした薬物療法が行われるケースがあります。主に点眼薬が用いられ、水晶体の濁りの進行を抑制する効果が期待されます。
しかし、これらの点眼薬は、すでに濁ってしまった水晶体を元の透明な状態に戻すことはできません。あくまで進行を遅らせるための補助的な治療であり、根本的な治療にはならないことを理解しておく必要があります。初期の段階であれば、定期的な眼科検診で経過を観察しながら、点眼薬を使用するかどうかを検討します。
白内障手術について
白内障が進行し、日常生活に支障をきたすようになった場合、手術が唯一の根本的な治療法となります。手術のタイミングは、患者様の見え方の自覚症状や生活への影響度、眼科医の診断に基づいて決定されます。
現在、白内障手術の主流は「超音波乳化吸引術」です。これは、濁った水晶体を細かく砕いて吸引し、その代わりに「眼内レンズ」を挿入するというものです。眼内レンズには、ピントが1点に合う「単焦点眼内レンズ」と、遠近両方にピントが合うように設計された「多焦点眼内レンズ」など、様々な種類があります。
眼内レンズの選択は、患者様の目の状態や生活習慣、希望する見え方によって異なります。手術前に眼科医と十分に相談し、ご自身に合ったレンズを選ぶことが大切です。手術は通常、局所麻酔で行われ、短時間で終了することがほとんどです。
白内障手術の費用と注意点
白内障手術を検討する上で、多くの方が気になるのが費用と、手術後の生活やリスクではないでしょうか。ここでは、手術費用の内訳から、術後の注意点、そして合併症のリスクについて詳しく解説します。
手術費用の内訳
白内障手術の費用は、選択するレンズの種類や医療機関によって大きく異なります。まず、保険診療と自由診療の基本的な違いを理解することが重要です。
保険診療の場合 白内障手術は公的医療保険が適用されます。自己負担額は、年齢や所得に応じて1〜3割となります。一般的な単焦点眼内レンズを使用した場合、片眼あたり約1.5万円〜5万円程度が目安です。ただし、これには診察料、検査料、薬剤費などが別途かかる場合があります。
自由診療(多焦点眼内レンズなど)の場合 多焦点眼内レンズや乱視矯正機能付きレンズなど、より高機能なレンズを選択する場合は、自由診療となります。この場合、レンズ代が高額になるため、手術費用は片眼あたり約30万円〜80万円と幅があります。自由診療では、レンズ代だけでなく、手術に関わる全ての費用が保険適用外となるため、費用負担が大きくなる傾向があります。
高額療養費制度の活用 医療費が高額になった場合でも、高額療養費制度を利用することで自己負担額を軽減できます。これは、1ヶ月間の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。事前に限度額適用認定証を取得しておくと、窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。
手術後の生活と注意点
白内障手術は比較的短時間で終わり、入院せずに日帰りで行われることも多いですが、術後の過ごし方には注意が必要です。
術後の安静期間と点眼薬 手術直後は目を休ませることが大切です。医師の指示に従い、保護用の眼帯やメガネを着用し、目をこすったり、強い衝撃を与えたりしないようにしましょう。感染症予防や炎症を抑えるために、処方された点眼薬を正しく使用することも非常に重要です。自己判断で点眼を中断しないようにしてください。
日常生活での注意点 術後しばらくは、日常生活のなかでもいくつか気をつけたい点があります。まず、洗顔や洗髪、入浴の際は目に水が入らないよう十分注意しましょう。洗顔は拭き取りに変更したり、洗髪は美容室で下向きの体勢で行ってもらったり、入浴はシャワーのみで済ませるなど、工夫すると安心です。
また、激しい運動や目に負担がかかる動作は控える必要があります。デスクワークのような負担の少ない仕事なら比較的早く復帰できますが、体力を使う仕事の場合は慎重に判断し、医師に相談した方がよいでしょう。さらに、視力が安定するまで車の運転は避けてください。
いずれにしても、最適な過ごし方や注意点は目の状態によって異なります。自己判断せず、担当医の指示に従うことが大切です。
手術の合併症リスク
白内障手術は安全性の高い手術ですが、まれに合併症が起こる可能性もあるため注意が必要です。たとえば、手術後数ヶ月から数年の間に、眼内レンズを支えている水晶体嚢が濁る「後発白内障」が生じることがあります。視力が低下する原因となりますが、レーザー治療で比較的簡単に改善可能です。
また、手術部位から細菌が侵入し、目の内部で炎症を起こす「眼内炎」が発生するケースもあります。重度になると視力に影響が出るリスクもあるため、抗生物質による治療で対処するケースが一般的です。
さらに、ごくまれではありますが、手術をきっかけとして「網膜剥離」が起こる場合もあります。飛蚊症が突然増えたり、視野の一部が欠けて見えるなどの症状があれば、すぐに眼科を受診することが重要です。
術後に少しでも異常や不安を感じたら、ためらわずに担当の眼科医へ相談してください。
何歳からでもできる白内障の予防方法
白内障は加齢とともに発症リスクが高まる病気ですが、日頃の生活習慣の見直しによって、進行を遅らせたり、発症リスクを低減したりすることが期待できます。ここでは、食生活と日常生活での目のケアに焦点を当て、実践しやすい予防方法をご紹介します。
食生活と目の健康
目の健康を維持するためには、日々の食生活がとても大切です。特に、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つ栄養素は、白内障の予防にも役立つと考えられています。
たとえば、レモンやオレンジ、ブロッコリー、パプリカといった食材に多く含まれるビタミンCは、水晶体の酸化を防ぎ、透明性を保つ働きがあります。同じく、ナッツ類や植物油、アボカドに豊富なビタミンEは強力な抗酸化作用を持ち、細胞の老化を抑える重要な役割を果たす栄養素です。
さらに、ほうれん草やケール、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれるルテインやゼアキサンチンは、目の黄斑部に多く存在する色素で、有害な光から目を保護する効果が期待できます。加えて、牡蠣やレバー、牛肉などに含まれる亜鉛は、目の組織を健康に保つうえで欠かせないミネラルです。
こうした栄養素をバランスよく取り入れるだけでなく、加工食品や糖分の摂りすぎを控えることも、目の健康維持に大きく貢献します。日々の食事を少し見直すだけでも、将来の視力を守る力につながるでしょう。
日常生活での目のケア
食生活に気を配るだけでなく、日々の生活習慣の中で目のケアを心がけることも、白内障を予防するうえで欠かせない工夫です。特に紫外線対策は意識したいポイントです。外出する際は、UVカット機能のあるサングラスや帽子を利用して、目を紫外線から守るようにしましょう。
また、長時間パソコンやスマートフォンを使用していると、知らず知らずのうちに目に大きな負担がかかります。1時間に一度は席を立ち、10分ほど遠くを見る時間をつくるなど、適度な休憩を心がけましょう。
さらに、目の周りの筋肉をほぐして血行を良くする簡単な体操も効果的です。目を上下左右に動かしたり、大きくまばたきをしたりするだけでも、目の疲れがやわらぎやすくなります。
加えて、喫煙は白内障のリスクを高める要素の一つです。目の健康のためにも禁煙を考えることが望ましいでしょう。全身の血流を良くする適度な運動も、視力維持に良い影響を与えます。こうした生活習慣の積み重ねが、白内障の発症を遅らせ、目の健康を長く保つことにつながります。
まとめ
この記事では、「白内障は何歳から発症するのか」という疑問を軸に、白内障の基礎知識から年齢別の発症率、初期症状、検査、治療法、そして予防策までを詳しく解説しました。
白内障は加齢とともに誰もが発症する可能性のある病気ですが、早期に発見し適切な対策を講じることで、進行を遅らせたり、良好な視力を維持したりすることが可能です。見え方に少しでも違和感を感じたら、自己判断せずに眼科を受診することが何よりも大切です。
白内障に関する正しい知識を身につけ、ご自身の目の状態を理解し、適切な対策を講じることで、快適な日常生活を送り、将来的な目の健康を守りましょう。


