点眼はいつまで続ける? 白内障手術後の目薬の種類・期間・正しい使い方
- 2026年7月16日
- 白内障

白内障手術後に目薬が必要な理由とは?
白内障手術後の目薬は、感染症の予防と炎症の抑制という2つの重要な役割を担っています。手術では濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入しますが、切開創は約2.4mmと小さくても、目の中に器具を入れる以上、術後は必ず炎症が起こります。
傷口から細菌が侵入するリスクもゼロではありません。そのため、術後の点眼薬を怠ると、感染症や炎症が悪化し、視力に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
「目薬をさすのが面倒」と感じる方もいらっしゃいますが、術後の回復を左右する大切なケアです。点眼を自己判断でやめると、炎症が再燃したり、再治療が必要になったりすることがあります。
幕張久木元眼科
手術後の点眼、続け方に不安はありませんか?
点眼の種類や続ける期間は、目の状態や経過によって変わります。自己判断で中止せず、気になる点は受診時にご確認ください。
術後眼内炎とはどんな合併症か?
「術後眼内炎」は、創口から細菌が侵入して眼内で炎症を起こす重篤な合併症です。現代の手術技術では発症率は非常に低いものの、万が一発症すると視力に深刻な影響を及ぼします。抗菌薬の点眼は、この眼内炎を防ぐための最重要手段です。
黄斑浮腫(嚢胞様黄斑浮腫)のリスクとは?
手術による組織の損傷は炎症反応を引き起こし、放置すると「嚢胞様黄斑浮腫」という網膜のむくみを招くことがあります。黄斑は視力の中心を担う部分のため、ここが腫れると視力低下につながります。非ステロイド系抗炎症薬はこの黄斑浮腫の予防に特に有効です。

白内障手術後に処方される目薬の種類は何か?
術後に処方される目薬は主に3種類です。それぞれ役割が異なり、組み合わせて使うことで回復を効果的にサポートします。
①抗菌薬(例:ベガモックス点眼液)
術後の細菌感染を防ぐための目薬です。ベガモックス(モキシフロキサシン)などのニューキノロン系抗菌薬が代表的で、細菌のDNA合成を阻害することで増殖を防ぎます。術前から術後3ヵ月にかけて使用し、術後は1回1滴を1日3回点眼するのが一般的です。
- 主な役割:術後眼内炎の予防
- 代表的な薬剤:ベガモックス点眼液(モキシフロキサシン)
- 使用期間の目安:術後約1〜3ヵ月(医師の指示による)
②ステロイド系抗炎症薬(例:リンデロン点眼液)
術後の炎症による赤みやかゆみを抑えるための目薬です。合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)が含まれており、術後は1日3〜4回の点眼を約1ヵ月続けます。長期間の使用は感染しやすくなる場合があるため、医師の指示通りの用法・用量を守ることが重要です。
- 主な役割:術後炎症の抑制、赤み・かゆみの緩和
- 代表的な薬剤:リンデロン点眼液
- 使用期間の目安:術後約1ヵ月(段階的に減量)
③非ステロイド系抗炎症薬(例:ネバナック点眼液・ブロナック点眼液)
炎症の原因となるプロスタグランジンの合成を抑え、嚢胞様黄斑浮腫の発症を予防する目薬です。白内障手術だけでなく、緑内障手術後にも使用されます。術前から術後にかけて点眼し、傷の治りを早める効果もあります。点眼後すぐは視界がぼやける場合がありますが、角膜への浸透性に優れているためすぐに馴染みます。
- 主な役割:黄斑浮腫の予防、炎症抑制
- 代表的な薬剤:ネバナック点眼液、ブロナック点眼液
- 使用期間の目安:術後約3ヵ月(医師の指示による)
白内障手術後の目薬はいつまで続けるのか?
一般的には、術後約3ヵ月間の点眼継続が推奨されています。ただし、患者様の目の状態や回復の経過、もともとの持病(糖尿病など)によって期間や回数は変わります。自己判断でやめず、必ず医師の指示に従うことが最も大切です。
術後1週間〜感染リスクが最も高い時期
手術直後から1週間は、感染症のリスクが最も高い時期です。この期間は3種類の目薬を1日3〜5回点眼します。点眼を忘れたり回数を減らしたりすると、感染症や炎症のリスクが高まります。また、洗顔・洗髪も控え、目に水や異物が入らないよう細心の注意が必要です。
- 点眼回数:1日3〜5回(目薬の種類によって異なる)
- 注意点:洗顔・洗髪は原則禁止、目をこすらない
- 傷口の状態:まだ完全にふさがっておらず、最も注意が必要な時期
術後1週間〜1ヵ月〜徐々に回数を減らす時期
1週間後の診察で経過が良好であれば、点眼回数を1日3回程度に減らすことが多いです。ただし、目薬の種類によっては継続が必要なものもあるため、自己判断で中止しないことが重要です。この時期になると洗顔・洗髪が許可されることが多く、日常生活への復帰が進みます。
- 点眼回数:1日3回程度(医師の指示による)
- 注意点:目をこすったり強く押さえたりしない
- 日常生活:洗顔・洗髪が許可されることが多い
術後1ヵ月〜3ヵ月〜炎症予防のために継続する時期
「もう見えているし痛くないから」と感じても、この時期に自己判断でやめてしまうと、後から炎症がぶり返したり、黄斑浮腫が起きて視力が低下したりすることがあります。炎症止めなど1〜2種類の目薬を継続し、医師の指示通りにさし切ることが大切です。
- 点眼の種類:炎症止めなど1〜2種類に絞られる
- 注意点:症状がなくても自己判断でやめない
- 目的:黄斑浮腫など遅発性合併症の予防

目薬の正しい点眼方法は?〜効果を最大化するコツ
目薬は正しい方法で点眼しないと、十分な効果が得られません。特に高齢の患者様の中には、点眼が上手くできていない方も少なくありません。以下の手順を参考に、正しく点眼してください。
点眼の基本手順
- 手を洗う:石けんと流水でしっかり洗い、清潔な状態にする。汚れた手で目の周りを触ると細菌感染のリスクが高まります。
- 上を向く:椅子に座って頭を後ろに傾けるか、仰向けに横になる。
- 下まぶたを引き下げる:利き手でない方の指で下まぶたを軽く引き下げ、小さなポケットを作る。
- 1滴だけ点眼する:容器の先端が目・まつ毛・まぶたに触れないように注意しながら、1滴だけ点眼する。多く入れても効果は変わらず、むしろ皮膚の炎症を引き起こすことがあります。
- 目を閉じて1〜2分待つ:点眼後は静かに目を閉じ、薬が目全体に行き渡るようにする。目をパチパチさせると薬が流れ出てしまうため注意が必要です。
- あふれた薬液を拭き取る:目からあふれた目薬はティッシュなどで軽く押さえて拭き取る。
複数の目薬を使う場合の注意点
白内障手術後は通常3種類の目薬が処方されます。複数の目薬を続けて点眼すると、先に入れた薬が後から入れた薬で流れ出てしまいます。目薬と目薬の間は5分以上の間隔をあけてください。5分あけることで薬が十分に吸収され、相互の影響をほぼ受けなくなります。
- 間隔:目薬ごとに5分以上あける
- 容器の管理:先端が汚染されると感染源になるため、まつ毛・目尻に触れさせない
- 点眼量:1滴で十分。多くつけすぎない
点眼を忘れた場合はどうする?
点眼を忘れた場合は、気づいた時点でさしてください。ただし、次の点眼まで時間がないときは1回分を飛ばし、次のタイミングで1滴点眼しましょう。2回分をまとめてさすことは避けてください。
目薬をさす際に気をつけたい生活上の注意点は?
術後の点眼と並行して、日常生活での行動にも注意が必要です。目薬の効果を最大限に発揮させるためにも、以下の点を守ってください。
- 目をこすらない:傷口に刺激を与え、感染リスクが高まります
- プールや温泉は控える:術後1ヵ月程度は避けるのが一般的です
- 保護メガネの着用:術後の傷口は一般的に約4日で塞がるといわれていますが、保護メガネは約1週間の装着が目安です
- 目薬の保管:直射日光・高温多湿を避け、指示された方法で保管する
- 使用期限の確認:開封後は指示された期間内に使い切る
糖尿病などの持病がある方は、回復が遅れる場合があります。目の状態や回復具合によって点眼期間・回数が変わることがあるため、定期的な通院と医師への相談が欠かせません。

白内障手術後の目薬に関してよくある疑問〜自己判断でやめてもいい?
「症状がなくなったから目薬をやめてもいいか?」というご質問をよくいただきます。答えは「医師の許可なく自己判断でやめてはいけません」です。術後の炎症は自覚症状がなくても進行していることがあり、特に黄斑浮腫は症状が出てから気づくケースも多いです。
また、ステロイド系の目薬を急に中断すると、炎症がぶり返すリスクがあります。医師が「もう大丈夫です」と判断するまでは、指示通りに続けることが回復への最短ルートです。
目薬の副作用が心配な場合は?
ステロイド系の目薬(リンデロンなど)は、まれに眼圧上昇(ステロイド緑内障)を引き起こすことがあります。長期間の使用では感染しやすくなる場合もあります。気になる症状(目の痛み・充血・視力の変化など)があれば、自己判断せず速やかに担当医に相談してください。
幕張久木元眼科での白内障手術について〜安心して任せられる理由
白内障手術後の目薬管理は、手術そのものと同じくらい重要です。信頼できる眼科クリニックで術後のフォローをしっかり受けることが、回復の質を大きく左右します。
幕張 久木元眼科 白内障は、東京医科歯科大学病院白内障・屈折矯正外来の元主任である久木元延行院長が診療を担当。大学病院で培った豊富な経験をもとに、患者様一人ひとりの状態に合わせた術後点眼指導を行っています。
- 院長経歴:東京医科歯科大学病院白内障・屈折矯正外来元主任
- 手術設備:性能にこだわった眼科手術専用顕微鏡を導入し、安全性に配慮した手術を実施
- 眼内レンズ:保険適用の分節型2焦点レンズ(約70cmから遠方まで焦点)、3焦点眼内レンズ、乱視矯正レンズなど複数の選択肢を用意
- 立地:イオンモール幕張新都心グランドモール1階。土日祝日診療対応、駐車場完備、院内バリアフリー
- WEB予約:待ち時間中はイオンモールでの買い物も可能
「高度医療をあたたかく提供する」という診療理念のもと、術前の説明から術後の点眼指導まで丁寧にサポートします。白内障手術や術後ケアについてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
よくある質問
白内障手術後の目薬はいつまで続けますか?
術後約3ヵ月間の継続が一般的な目安です。ただし、目の状態や回復具合によって期間・回数は変わるため、必ず医師の指示に従ってください。
目薬を自己判断でやめてもいいですか?
自己判断でやめることは避けてください。症状がなくても炎症が進行していることがあり、黄斑浮腫など遅発性合併症のリスクがあります。医師の許可が出るまで続けることが大切です。
白内障手術後に処方される目薬は何種類ですか?
一般的に抗菌薬・ステロイド系抗炎症薬・非ステロイド系抗炎症薬の3種類が処方されます。術後の経過に合わせて種類・回数が段階的に減っていきます。
複数の目薬をさす場合、間隔はどれくらいあければいいですか?
目薬と目薬の間は5分以上の間隔をあけてください。続けてさすと先に入れた薬が流れ出てしまい、十分な効果が得られません。
目薬の点眼を1回忘れた場合はどうすればいいですか?
気づいた時点でさしてください。次の点眼まで時間がない場合は1回分を飛ばし、次のタイミングで1滴点眼しましょう。2回分をまとめてさすことは避けてください。
術後の目薬に副作用はありますか?
ステロイド系の目薬はまれに眼圧上昇(ステロイド緑内障)を引き起こすことがあります。目の痛み・充血・視力の変化などの症状があれば、速やかに担当医に相談してください。
目薬をさした後、目をパチパチしてもいいですか?
点眼後は目をパチパチさせないでください。薬が流れ出てしまい効果が減少します。静かに1〜2分間目を閉じて、薬が目全体に行き渡るようにしましょう。
白内障手術後の保護メガネはいつまで必要ですか?
術後の傷口は約4日で塞がるといわれていますが、保護メガネは約1週間の装着が目安です。装着期間は医師と相談して決めてください。
糖尿病がある場合、術後の目薬の期間は変わりますか?
糖尿病などの持病がある方は回復が遅れる場合があり、点眼期間が延長されることがあります。主治医に持病を必ず伝え、指示に従って点眼を続けてください。
目薬の容器の先端が目に触れてしまいました。どうすればいいですか?
容器の先端が目・まつ毛・まぶたに触れると容器が汚染され、感染源になる可能性があります。触れてしまった場合は担当医に相談し、新しい容器への交換を検討してください。
結論
白内障手術後の目薬は、感染症予防と炎症抑制のために術後約3ヵ月間の継続が基本です。抗菌薬・ステロイド・非ステロイド系抗炎症薬の3種類をそれぞれの役割に応じて使い分け、医師の指示通りに点眼することが回復への最短ルートです。症状がなくなっても自己判断でやめず、正しい点眼方法を守ることで合併症リスクを最小限に抑えられます。術後ケアに不安を感じたら、経験豊富な眼科専門医への相談を迷わず行ってください。
幕張久木元眼科|日帰り白内障手術に対応
手術後のケアや点眼についてもていねいにご説明します。気になる症状があれば早めにご相談ください。土・日・祝日も診療しています。
千葉県千葉市美浜区豊砂1-1 イオンモール幕張新都心グランドモール1階/休診日:火曜
著者情報
幕張久⽊元眼科 院⻑ 久⽊元延⾏

経歴
獨協医科大学 医学部医学科卒業
東京医科歯科大学病院 臨床研修医
東京医科歯科大学 眼科学講座 入局
東京都立広尾病院 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
東京都立多摩総合医療センター 眼科
東京医科歯科大学病院 眼科
– 白内障・屈折矯正外来 主任
– 糖尿病網膜症専門外来
– 医療安全管理リスクマネージャー
幕張久木元眼科開院
【資格】
日本眼科学会認定眼科専門医
水晶体嚢拡張リング認定医
難病指定医
ボトックス認定医(眼瞼痙攣、斜視)
光線力学療法認定医
【所属学会】
日本眼科学会
日本眼手術学会
日本白内障屈折矯正学会
日本網膜硝子体学会
日本糖尿病眼学会


