物が二重に見える原因6つ|白内障だけじゃない複視の病気と症状を徹底解説|幕張久木元眼科|千葉県千葉市の白内障手術、緑内障、糖尿病網膜症

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医療コラム

物が二重に見える原因6つ|白内障だけじゃない複視の病気と症状を徹底解説|幕張久木元眼科|千葉県千葉市の白内障手術、緑内障、糖尿病網膜症

物が二重に見える原因6つ|白内障だけじゃない複視の病気と症状を徹底解説

物が二重に見える症状に気づいたら

「最近、物が二重に見えるようになった」

そんな症状を感じたとき、不安になる方は多いと思います。物が二重に見える状態を「複視(ふくし)」といいますが、実はこの症状には様々な原因があります。白内障が原因のこともあれば、脳や神経の病気が隠れていることもあるのです。

複視は、片目で見ても二重に見える「単眼性複視」と、両目で見ると二重に見える「両眼性複視」に分けられます。どちらのタイプかによって、考えられる病気が大きく異なります。

この記事では、物が二重に見える原因となる主な病気を6つに分けて、それぞれの特徴や症状を詳しく解説します。

複視の種類を理解する

まず大切なのは、片目だけで見たときにどうなるかを確認することです。

片目を隠してみて、それでも二重に見える場合は「単眼性複視」です。一方、片目で見ると一つに見えるのに、両目で見ると二重に見える場合は「両眼性複視」となります。

単眼性複視の特徴

単眼性複視は、片目だけで見ても物が二重や三重に見える状態です。

この場合、目の表面から網膜に至る光の伝達経路に何らかの問題があることが多いです。複数見える像のうち、一つは正常な明るさやコントラストですが、もう一つの像は質が劣っていることが特徴です。

両眼性複視の特徴

両眼性複視は、両目で見たときだけ二重に見える状態です。

片目を閉じると一つに見えるため、左右の目の協調運動に問題があることが分かります。この場合、見える二つの像は同じくらいの鮮明さです。ある方向(左、右、上、下など)を見たときだけ複視が現れることもあります。

 

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原因1:白内障による単眼性複視

白内障は、目の中の水晶体が濁ってしまう病気です。

水晶体はカメラのレンズに相当する部分で、ここが濁ると光の通り道が歪んでしまいます。その結果、物が二重に見えたり、視界が白くかすんだり、まぶしさを強く感じたりします。

白内障の主な症状

  • 目がかすむ
  • まぶしさを感じやすい
  • 物が二重に見える
  • 視力が低下する

白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる病気です。放置すると日常生活に支障をきたすため、早めの診断と治療が大切です。

白内障の診断と治療

当院では、視力検査、細隙灯(さいげきとう)検査、必要に応じて散瞳検査などで白内障の進行度を正確に診断します。

診察時には「どのくらい進んでいるのか」「手術が必要な状態か」を丁寧に説明し、目の状態に合わせた治療方針をご提案しています。

白内障の根本的な治療は手術です。当院では日帰り手術に対応しており、濁った水晶体を取り除いて透明な人工レンズ(眼内レンズ)を挿入します。現在の白内障手術は切開が2.4mm程度と非常に小さく、出血も少ない安全な治療です。

原因2:乱視による単眼性複視

乱視も単眼性複視の一般的な原因です。

乱視は、角膜(黒目の表面)の曲率に異常があることで起こる屈折異常です。角膜が正常な丸い形ではなく歪んでいると、光が網膜上で正しく像を結ばなくなります。

未矯正の乱視がもたらす影響

軽度の乱視であれば気づかないこともありますが、中等度以上になると物が二重に見えたり、ぼやけて見えたりします。

特に夜間や暗い場所では症状が強くなることがあります。運転時に信号や標識が見づらくなることもあるため、注意が必要です。

乱視の矯正方法

乱視は眼鏡やコンタクトレンズで矯正できます。また、白内障手術の際に乱視矯正レンズを使用することも可能です。

当院では保険適応の乱視矯正レンズの取り扱い実績も豊富で、「眼鏡をかけなくても快適に見える状態」を目指した治療を行っています。

原因3:斜視による両眼性複視

斜視は、左右の目の向きがずれている状態です。

通常、両目は同じ対象物を見るように無意識に協調運動を行っていますが、この協調がうまくいかないと複視が起こります。

急に起こる斜視は要注意

急に斜視が現れた場合、脳や神経の異常が原因のことが多いです。

脳梗塞、脳動脈瘤、脳腫瘍、重症筋無力症などの重篤な疾患が隠れている可能性があります。突然物が二重に見えるようになった場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。

眼球を動かす神経の麻痺

眼球を動かす筋肉は、動眼神経・滑車神経・外転神経という三つの脳神経によって制御されています。

これらの神経のいずれかが麻痺すると、眼球運動に障害が起き、両眼性複視が現れます。麻痺の原因としては、糖尿病や高血圧による血管障害、脳梗塞、脳腫瘍、動脈瘤などが挙げられます。

特に眼痛を伴う場合は、脳動脈瘤による動眼神経麻痺の可能性があり、くも膜下出血の危険性もあるため緊急受診が必要です。

原因4:甲状腺眼症による複視

甲状腺眼症は、バセドウ病などの甲状腺機能異常に伴って起こる目の病気です。

甲状腺の異常によって眼窩(目の周りの骨で囲まれた空間)内に異常な組織が蓄積し、眼球を動かす筋肉が炎症を起こします。その結果、眼球運動が物理的に妨げられ、複視が生じます。

甲状腺眼症の特徴的な症状

  • 複視(物が二重に見える)
  • 両眼の腫れ
  • 眼球突出
  • まぶたの腫れや赤み

甲状腺眼症では、複視以外にも目の症状が複数現れることが多いです。甲状腺の病気を指摘されたことがある方で、目の症状が気になる場合は、眼科での診察をお勧めします。

甲状腺眼症の治療

甲状腺眼症の治療は、まず甲状腺機能を正常化することが基本です。

その上で、眼科的な治療として炎症を抑える薬物療法や、必要に応じて手術療法を検討します。複視に対しては、プリズム眼鏡による光学的補正が有効な場合もあります。

原因5:重症筋無力症による複視

重症筋無力症は、神経と筋肉の接続部分に異常が起こる自己免疫疾患です。

この病気では、神経から筋肉への信号伝達がうまくいかなくなり、筋力低下が起こります。眼球を動かす筋肉も影響を受けるため、複視が現れることがあります。

重症筋無力症の特徴的な症状

重症筋無力症では、複視のほかに以下のような症状が見られます。

  • まぶたが下がる(眼瞼下垂)
  • 話しにくさ
  • 飲み込みにくさ
  • 手足の筋力低下

特徴的なのは、症状に日内変動があることです。朝は比較的症状が軽く、夕方になると悪化する傾向があります。また、同じ動作を繰り返すと疲れやすく、休むと回復します。

重症筋無力症の診断

重症筋無力症が疑われる場合、血液検査や神経学的検査、必要に応じて胸部CT検査などを行います。

複視で眼科を受診した場合、必要があれば神経内科を紹介されることがあります。早期発見・早期治療が大切な病気です。

原因6:脳や神経の病気による複視

複視は、脳や神経の重篤な病気の初期症状として現れることがあります。

特に注意が必要な病気には、脳梗塞、脳動脈瘤、脳腫瘍、ギラン・バレー症候群などがあります。

脳梗塞による複視

脳梗塞では、眼球運動を制御する脳の部分が障害されると複視が起こります。

手足のしびれやめまいなどを伴い、突然発症することが特徴です。高血圧や糖尿病の方に多く見られます。複視とともにこれらの症状がある場合は、すぐに救急医療機関を受診してください。

脳動脈瘤による複視

脳動脈瘤が動眼神経を圧迫すると、複視と眼痛が現れます。

この場合、くも膜下出血の危険性があるため、脳神経外科での緊急受診が必要です。頭痛を伴う片側性の眼球運動障害が急速に発症した場合は、特に注意が必要です。

ギラン・バレー症候群による複視

ギラン・バレー症候群は、急に発症し1〜2週間で悪化する神経の病気です。

複視のほか、両眼が動かなくなったり、手足に力が入らなくなったり、歩行障害が見られたりします。症状が出る1〜2週前に、下痢や風邪に罹患していることが多いです。

複視に気づいたときの対処法

物が二重に見える症状に気づいたら、まず片目を隠して確認してみてください。

片目で見ても二重に見える場合は単眼性複視、片目では一つに見える場合は両眼性複視です。どちらの場合でも、必ず医療機関を受診することが大切です。

緊急受診が必要な症状

以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 突然の複視
  • 眼痛を伴う複視
  • 頭痛を伴う複視
  • 手足のしびれや筋力低下
  • 発話障害や嚥下困難
  • 歩行障害やめまい

これらの症状は、重篤な疾患の初期症状である可能性があります。特に複視以外の神経症状を伴う場合は、脳神経外科や神経内科での精密検査が必要です。

眼科での診察内容

眼科では、視力検査、眼球運動検査、細隙灯検査などを行い、複視の原因を調べます。

必要に応じて、散瞳検査や画像検査を行うこともあります。単眼性複視の場合は眼科的な原因が多いですが、両眼性複視の場合は神経内科や脳神経外科を紹介されることがあります。

幕張久木元眼科での白内障治療

当院では、白内障による複視に対して、診断から手術・術後ケアまで一貫した治療を行っています。

白内障手術は日帰りで行うことができ、濁った水晶体を取り除いて透明な人工レンズを挿入します。手術の切開は2.4mm程度と非常に小さく、出血も少ない安全な治療です。

眼内レンズの選択

眼内レンズには、単焦点レンズと多焦点レンズがあります。

単焦点レンズは見え方の質(コントラスト)が最も良いですが、ピントが合う距離は1ヵ所です。多焦点レンズは複数の距離にピントが合い、眼鏡を使う頻度を減らせます。

当院では、患者様の生活環境(運転頻度・読書・PC作業など)を丁寧にヒアリングし、最適なレンズ選びをサポートしています。また、保険適応の乱視矯正レンズの取り扱い実績も豊富です。

手術前後のサポート

手術前は、当日の注意点(洗顔・お化粧・食事など)を分かりやすく説明します。

手術後は、指示どおりの点眼で感染を予防し、触らない・こすらないよう注意が必要です。日常生活(散歩・家事)は翌日から可能ですが、運転・運動・お化粧・カラーリングは1週間控えていただきます。

患者さんが不安に思うところを事前に解消しながら、安心して治療に集中できる環境を整えています。

まとめ

物が二重に見える原因は、白内障や乱視などの目の病気から、脳や神経の重篤な病気まで様々です。

単眼性複視の場合は白内障や乱視が多く、両眼性複視の場合は斜視や神経の病気が考えられます。突然の複視や、眼痛・頭痛・神経症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診することが大切です。

幕張久木元眼科では、白内障による複視に対して、正確な診断、日帰り手術、術後ケアまで一貫した治療を提供しています。「最近視界がかすむ」「物が二重に見える」「まぶしさが強くなった」このような症状がある方は、一度受診をおすすめします。

あなたの目の状態をしっかり確認し、最適な治療タイミングやレンズ選びを丁寧にご案内します。見えにくさを我慢して生活する必要はありません。少しでも「おかしいな」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。

著者情報

幕張久木元眼科 院長 久木元 延行

久木元 延行

経歴

獨協医科大学 医学部医学科卒業

東京医科歯科大学病院 臨床研修医

東京医科歯科大学 眼科学講座 入局

東京都立広尾病院 眼科

東京医科歯科大学病院 眼科

東京都立多摩総合医療センター 眼科

東京医科歯科大学病院 眼科

– 白内障・屈折矯正外来 主任

– 糖尿病網膜症専門外来

– 医療安全管理リスクマネージャー

幕張久木元眼科開院

資格

日本眼科学会認定眼科専門医

水晶体嚢拡張リング認定医

難病指定医

ボトックス認定医(眼瞼痙攣、斜視)

光線力学療法認定医

所属学会

日本眼科学会

日本眼手術学会

日本白内障屈折矯正学会

日本網膜硝子体学会

日本糖尿病眼学会