白内障は30代でもなる?原因、症状、治療法、そして予防策を徹底解説
- 2025年12月6日
- 白内障
「最近、なんだか視界がぼやける…」30代の方で、このような症状を感じて不安になっている方もいるかもしれません。白内障は、一般的に中高年の方に多い病気ですが、近年、30代でも発症するケースが増えています。
この記事では、30代で白内障になる原因、症状、治療法、そして予防策について、詳しく解説します。あなたの目の健康を守り、明るい未来のために、ぜひ最後までお読みください。
30代で白内障になる原因とは?

白内障は一般的に高齢者の病気と思われがちですが、近年では30代といった比較的若い世代でも発症するケースが増えています。このセクションでは、なぜ若い世代で白内障が起こるのか、その多岐にわたる原因について詳しく解説していきます。遺伝的な要因から、日々の生活習慣、さらには病気や薬の影響まで、知っておくべき情報を分かりやすくお伝えします。
若年性白内障のリスク要因
30代での白内障発症には、遺伝的な要素が関わっている場合があります。ご家族に白内障の方がいる場合、体質として白内障になりやすい傾向があるかもしれません。また、先天的な目の構造や発達の問題が原因で、生まれつき水晶体が濁りやすい方もいます。これらは「若年性白内障」と呼ばれることもあり、年齢に関わらず視力に影響を与えることがあります。
生活習慣の影響
日々の生活習慣は、30代の白内障リスクに大きく影響します。例えば、長時間、強い紫外線を浴び続けることは、水晶体にダメージを与え、白内障を進行させる一因となります。帽子やサングラスで目を守ることが大切です。また、喫煙は体全体に悪影響を及ぼしますが、目においても酸化ストレスを増加させ、水晶体の変化を早める可能性があります。
食生活も重要で、ビタミンや抗酸化物質を豊富に含むバランスの取れた食事を心がけることが推奨されます。さらに、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスを長時間使用することで、画面から発せられるブルーライトや、それに伴う目の疲れが、白内障のリスクを高めるとも言われています。
その他の原因
白内障は、他の病気や治療が原因で起こる「二次性白内障」もあります。代表的な例としては、糖尿病です。血糖値が高い状態が続くと、水晶体に糖が蓄積し、白内濁を引き起こしやすくなります。
また、アレルギーや自己免疫疾患の治療でステロイド薬を長期的に使用している場合も、白内障のリスクが高まることが知られています。さらに、スポーツや事故などによる目の外傷が原因で、水晶体が損傷し、白内障につながることもあります。
30代で現れる白内障の初期症状
30代という、まだ若いと感じる年代でも、白内障は静かに進行することがあります。多くの場合、自覚症状はごく初期のもので、単なる「疲れ目かな?」と見過ごしてしまうことも少なくありません。しかし、早期に気づくことで、適切な対応や治療につなげることができます。ここでは、30代で現れやすい白内障の初期症状を具体的に解説します。
視界のぼやけ
白内障の最も代表的な初期症状として挙げられるのが、視界のかすみやぼやけです。これは、眼の中のレンズの役割を果たす水晶体が、年齢とともに濁り始めることで起こります。濁りは、まるでレンズに曇りがかかるように、入ってくる光を散乱させてしまうため、ピントが合いにくくなり、物がはっきり見えなくなってしまうのです。
最初は「最近、目が疲れやすいな」「コンタクトレンズの調子が悪いのかな?」と感じる程度かもしれませんが、このぼやけは徐々に進行していくことがあります。例えば、新聞の文字が読みにくくなったり、遠くの景色がぼんやりして見えたりと、日常生活の様々な場面で「見えにくさ」を感じるようになるでしょう。
まぶしさ、かすみ
次に、光に対する過敏性、いわゆる「まぶしさ」や、視界全体がぼんやりとかすんで見える症状についても見ていきましょう。水晶体が濁り始めると、光が目に届く際に乱反射しやすくなります。そのため、太陽の光はもちろん、室内灯や車のヘッドライトなどの人工的な光でも、以前より強くまぶしく感じることがあります。
特に、夜間の車の運転は、対向車のライトで目がくらみ、非常に危険を感じることがあるかもしれません。また、全体的に視界がかすんで見えることで、遠くの景色だけでなく、近くの物もぼやけて見えることがあります。これは、まるで霧がかかったような感覚に近いかもしれません。
関連記事:白内障によるまぶしさの原因と改善策|手術前後にできるケアや眼鏡選びを解説
その他の自覚症状
上記以外にも、白内障の初期段階で現れる可能性のある自覚症状がいくつかあります。これらは、ご自身の目の変化に気づくための大切なサインとなります。
- 色の見え方の変化
- 物が二重に見える(複視)
- 暗い場所での視力低下
これらの症状は、一つだけ現れることもあれば、複数組み合わさって現れることもあります。
関連記事:白内障の症状とは?初期症状・見え方・予防法から手術のタイミングまで徹底解説
30代で白内障になった場合の診断と検査

30代という比較的若い年齢で視力に変化を感じると、「これは白内障ではないか」「どのような検査を受けるのだろうか」と不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。白内障は高齢者に多い病気というイメージがありますが、近年では生活習慣や遺伝的要因などにより、若い世代でも発症するケースが増えています。ここでは、30代で白内障が疑われる場合に、眼科医がどのように診断を進め、どのような検査を行うのかを詳しく解説します。
眼科医による検査
30代で視力低下、まぶしさ、かすみ目などの自覚症状が現れた場合、自己判断せずにまずは専門医である眼科医に相談することが最も重要です。眼科医は、患者さんの症状について詳しく問診を行い、日常生活への影響や既往歴、家族歴などを把握します。
この問診は、白内障の可能性を探る上で非常に重要な手がかりとなります。その後、視力検査や眼圧検査などの基本的な検査に進みますが、これらの初期検査によって、白内障の兆候やその他の眼疾患の可能性が確認されます。
必要な検査の種類
白内障の診断を確定するため、眼科医はいくつかの専門的な検査を行います。まず、視力検査で、どの程度視力が低下しているか、また、乱視や老眼の進行がないかなどを測定します。次に、細隙灯顕微鏡検査は、白内障診断の中心となる検査です。細隙灯顕微鏡という特殊な顕微鏡を使用し、眼球を拡大して観察します。
この検査により、水晶体の濁りがどこに、どの程度発生しているかを詳細に確認できます。水晶体の濁りは、初期にはかすみやぼやけとして現れ、進行すると視力低下につながります。さらに、眼底検査も行われることがあります。
これは、網膜や視神経の状態を確認するための検査で、白内障の進行が視神経に影響を与えていないか、あるいは白内障以外の病気が隠れていないかなどを調べるのに役立ちます。必要に応じて、散瞳薬(瞳孔を開く目薬)を使用して、より広範囲の眼底を観察することもあります。
これらの基本的な検査で診断が確定しない場合や、他の病気の可能性が疑われる場合には、角膜の厚みを測る検査、眼内レンズの度数を決定するための検査、あるいは網膜の構造を詳細に調べる光干渉断層計(OCT)などが追加で行われることもあります。これらの多角的な検査を通じて、正確な診断と、患者さん一人ひとりに合った最適な治療方針が検討されます。
30代で白内障になった場合の治療法
30代という比較的若い年齢で白内障と診断された場合、将来の視力や生活への影響について不安を感じるのは当然のことです。しかし、現代の医学では、白内障は効果的に治療できる病気であり、特に手術によって視力を回復させることが可能です。ここでは、30代の白内障患者さんが抱える疑問や不安に寄り添い、最新の治療選択肢、手術のメリット・デメリット、そして術後のケアについて、分かりやすく解説していきます。
手術の選択肢
白内障の進行により、日常生活に支障が出始めた場合、最も確実で効果的な治療法は手術です。30代の方の場合、水晶体の濁りが比較的軽度な段階で手術を検討することもあります。現在主流となっている手術法は「超音波乳化吸引術」です。
これは、超音波の力で濁った水晶体を細かく砕き、吸い出すという低侵襲な方法で、小さな切開創で済み、回復も早いのが特徴です。手術の際には、濁った水晶体を取り除いた後に、眼内レンズ(IOL:Intraocular Lens)を挿入します。眼内レンズには様々な種類があり、それぞれに特徴があります。
- 単焦点眼内レンズ
- 多焦点眼内レンズ
- 乱視用眼内レンズ(トーリックIOL)
どの眼内レンズが最適かは、患者さんのライフスタイル、仕事内容、趣味、そして目の状態によって異なります。担当医と十分に話し合い、ご自身の希望に合ったレンズを選択することが、満足のいく結果につながります。
手術後の注意点
白内障手術は日帰りで行われることが一般的ですが、術後の適切なケアが良好な回復のために非常に重要です。手術を受けた直後から、一時的に視界がぼやけたり、光がまぶしく感じられたりすることがありますが、これは多くの場合、時間の経過とともに改善していきます。
- 感染予防
- 目の保護
- 活動制限
- 定期的な検診
- 見え方の変化
薬物治療の可能性
残念ながら、現在のところ、白内障の進行を完全に止める、あるいは改善させる特効薬は存在しません。白内障は、水晶体タンパク質の変性によって起こるものであり、一度濁ってしまった水晶体を薬で元に戻すことはできないのです。
しかし、一部の点眼薬や内服薬には、白内障の進行を遅らせる、あるいは初期の症状を和らげる効果が期待されるものもあります。これらの薬物は、主に水晶体の酸化ストレスを軽減したり、代謝を助けたりする目的で使用されます。ただし、その効果は限定的であり、進行を遅らせる程度にとどまることがほとんどです。
薬物療法だけで白内障が治癒したり、手術を回避できるほどの視力回復が得られるわけではありません。白内障が進行し、視力に影響が出始めた場合は、やはり手術が最も効果的な解決策となります。薬物療法については、その効果と限界を理解し、医師と相談の上、ご自身の状況に合わせて検討することが重要です。
30代でもできる白内障の予防と対策

白内障は、加齢とともに進行することが多い目の病気ですが、その発症リスクは生活習慣によって大きく影響されます。特に30代という比較的若い年齢からでも、将来的な白内障のリスクを減らし、生涯にわたる目の健康を維持するための具体的な対策は存在します。本セクションでは、日々の生活の中で無理なく取り入れられる予防策を、科学的根拠に基づいて詳しく解説していきます。
紫外線対策
紫外線は、目の水晶体にダメージを与え、白内障の発症や進行を早める主要な要因の一つです。紫外線が水晶体内のタンパク質を変性させ、濁りを引き起こすメカニズムが知られています。このリスクを低減するためには、日常生活における紫外線対策が不可欠です。日差しの強い日には、UVカット機能のあるサングラスを着用しましょう。
レンズの色が濃い必要はなく、UVカット率が高いものを選ぶことが重要です。また、つばの広い帽子をかぶることも、顔や目への紫外線の曝露を減らすのに効果的です。特に、屋外での活動が多い方や、雪や水面からの反射光が多い環境にいる場合は、これらの対策を徹底することをおすすめします。
食生活の見直し
目の健康、特に白内障の予防には、バランスの取れた食事が極めて重要です。抗酸化作用を持つ栄養素は、紫外線や加齢による酸化ストレスから目を保護する働きがあります。ビタミンCやビタミンEは、水晶体の健康維持に役立つ代表的なビタミンです。これらは柑橘類、ベリー類、ナッツ類、植物油などに豊富に含まれています。また、緑黄色野菜に多く含まれるルテインやゼアキサンチンは、水晶体や網膜に集積し、ブルーライトや活性酸素から目を守る効果が期待できます。ほうれん草、ケール、ブロッコリー、卵黄などを積極的に食事に取り入れましょう。これらの栄養素を日々の食事で意識的に摂取することで、目の酸化ストレスを軽減し、白内障のリスクを低減することが期待できます。
目を酷使しない工夫
現代社会では、スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスの使用時間が長くなりがちであり、これが目の疲労やドライアイ、さらには長期的な目の健康問題につながる可能性があります。目を酷使しないための具体的な工夫を実践することが、白内障予防にも繋がります。
- 休憩を挟む
- 適切な照明
- 画面設定の調整
- 目のストレッチ
- 意識的なまばたき
定期的な眼科検診の重要性
白内障は、初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いため、気づいたときには進行しているというケースも少なくありません。そのため、定期的な眼科検診が白内障の早期発見と早期対応に不可欠となります。自覚症状がないからといって検診を怠ると、視力低下が進んでから初めて病気に気づき、治療の選択肢が限られてしまうこともあります。
一般的に、40歳を過ぎたら年に一度の定期検診が推奨されていますが、リスク因子を持つ方や、目に違和感を感じた場合は、年齢に関わらず早めに受診することが大切です。専門医による詳細な検査を受けることで、白内障だけでなく、緑内障など他の目の病気の早期発見にもつながり、将来的な視機能の維持に大きく貢献します。
まとめ
白内障は高齢者の病気というイメージがありますが、30代でも遺伝、生活習慣、他の病気や薬の影響などにより発症することがあります。特に紫外線、喫煙、偏った食事、長時間のデジタルデバイス使用などは、水晶体の老化や濁りを早める要因とされています。
初期には「視界がぼやける」「光がまぶしい」「かすんで見える」といった軽い症状から始まり、色の見え方の変化や暗い場所で見えにくい、片目で物が二重に見えるなどの変化が出ることもあります。「疲れ目かな」と放置せず、30代でも違和感を覚えたら眼科受診が大切です。
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