白内障と紫外線の深い関係|目の健康を守る7つの予防対策|幕張久木元眼科|千葉県千葉市の白内障手術、緑内障、糖尿病網膜症

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医療コラム

白内障と紫外線の深い関係|目の健康を守る7つの予防対策|幕張久木元眼科|千葉県千葉市の白内障手術、緑内障、糖尿病網膜症

白内障と紫外線の深い関係|目の健康を守る7つの予防対策

白内障と紫外線の関係性とは?医学的根拠から解説

白内障は世界的に見ても失明原因のトップに挙げられる眼疾患です。加齢が主な原因と思われがちですが、実は紫外線との関わりが深いことをご存知でしょうか。

紫外線は私たちの目に思いのほか大きな影響を与えています。WHO(世界保健機構)の調査によると、白内障の原因の約20%は紫外線によるものとされているのです。

私たち眼科医が特に注目しているのは、紫外線の強い地域に住む人々や屋外での活動時間が長い方に白内障の発症率が高いという疫学的事実です。これは単なる偶然ではなく、紫外線被ばく量と白内障の発症には明確な相関関係があることを示しています。

紫外線が白内障を引き起こすメカニズムは、水晶体のタンパク質変性にあります。目の水晶体は本来透明なレンズの役割を果たしていますが、紫外線を長期間浴びることで水晶体を構成するタンパク質が変性し、濁りが生じるのです。

特に注意したいのは、紫外線の影響は蓄積性があるという点です。若いうちから紫外線対策をしないと、将来的に白内障のリスクが高まる可能性があります。

紫外線による白内障リスクを高める7つの要因

紫外線による白内障リスクは、いくつかの要因によって高まります。特に以下の7つの要因に該当する方は注意が必要です。

まず第一に、屋外での活動時間が長い職業に就いている方です。建設作業員や農業従事者、屋外スポーツのインストラクターなど、日常的に強い日差しにさらされる環境にある方は、紫外線被ばく量が多くなります。

第二に、赤道に近い地域や高地に住んでいる方も要注意です。金沢医科大学の研究チームが行った調査では、赤道に近いタンザニアの子どもたちは日本の子どもたちと比べて、紫外線による目の損傷の初期症状である瞼裂斑(けんれつはん)の発症率が著しく高いことが分かっています。

第三に、紫外線対策を全くしていない方です。サングラスや帽子などを使わずに強い日差しの下で過ごす習慣がある方は、目に直接紫外線を浴びる量が増えてしまいます。

第四に、年齢が上がるにつれてリスクは高まります。加齢により水晶体の修復能力が低下するため、同じ量の紫外線でもダメージが蓄積しやすくなるのです。

第五に、熱中症の経験がある方も注意が必要です。研究によると、熱中症にかかった方は5年後に白内障を発症するリスクが4倍も高まることが分かっています。

第六に、糖尿病患者の方も白内障リスクが高まります。糖尿病に罹患すると健常者に比べ約5倍白内障になりやすくなることが知られています。

そして第七に、ステロイド薬の長期服用者も要注意です。ステロイド薬による白内障は発症すると進行が早く、数ヶ月から1年程度で手術が必要になるほど視力が低下することがあります。

これらの要因が複数重なると、さらにリスクは高まります。自分がどのカテゴリに当てはまるか確認し、適切な対策を取ることが大切です。

紫外線から目を守る!7つの効果的な予防対策

紫外線から目を守るための対策は、実は肌の日焼け対策と同じくらい重要です。日常生活に取り入れやすい7つの効果的な予防法をご紹介します。

まず最も効果的なのは、UVカット機能付きのサングラスの使用です。サングラスを選ぶ際のポイントは、レンズの色の濃さではなく「紫外線透過率」または「紫外線カット率」を確認することです。「紫外線透過率1%」であれば、紫外線の99%をカットできる優れものです。

ただし注意したいのは、色が濃いだけのサングラスは逆効果になる可能性があるという点です。UVカット機能がないまま色の濃いレンズをかけると、瞳孔が開いて紫外線をより多く取り込んでしまうことがあります。

第二の対策は、つばの広い帽子の着用です。特に麦わら帽子のようにつばの幅が7センチ以上あるものは、紫外線カット効果が20~70%ほどあります。サングラスと帽子を併用すれば、より効果的に目を守ることができます。

第三に、UVカット機能付きのコンタクトレンズも有効な選択肢です。素材に紫外線吸収剤が含まれているため、角膜と角膜に隣接する結膜への紫外線の透過を低減できます。

第四に、日常的に使用している眼鏡にUVカット加工を施すことも効果的です。特にツルの部分の幅が1cm以上あるものは、レンズと顔の隙間から入る側方からの紫外線も効果的にカットできます。

第五に、紫外線が強い時間帯(10時~14時頃)の外出を控えることも大切な対策です。どうしても外出が必要な場合は、前述のサングラスや帽子などの対策を徹底しましょう。

あなたは紫外線対策を日常的に行っていますか?

第六に、複数の紫外線対策アイテムを組み合わせることで、より高い効果が期待できます。例えば、帽子+UVカットコンタクトレンズ、帽子+メガネなどの組み合わせがおすすめです。

第七に、定期的な眼科検診も予防対策の一つです。早期発見・早期治療が可能になるだけでなく、自分の目の状態に合った適切な紫外線対策のアドバイスも受けられます。

白内障の初期症状と自己チェック方法

白内障は初期段階では自覚症状が乏しいため、気づかないうちに進行していることが少なくありません。早期発見のためには、以下のような初期症状に注意することが大切です。

まず、「最近、見え方がぼやけてきた」と感じることがあります。特に細かい文字を読むときや、夜間の運転中に感じることが多いようです。

次に、「まぶしさを強く感じるようになった」という症状も特徴的です。晴れた日の外出時や、夜間の対向車のヘッドライトに対して、以前より強いまぶしさを感じる場合は注意が必要です。

また、「色の見え方が変わった」と感じることもあります。白内障が進行すると水晶体が黄色く変化するため、青や紫などの色が識別しにくくなります。

さらに、「一つのものが二重に見える」という症状(複視)が現れることもあります。これは水晶体の一部が濁ることで光の屈折が不均一になるために起こります。

自己チェックの方法としては、片目ずつ視力の違いを確認することが有効です。両目で見ると健康な方の目が補正してしまうため、片目ずつ確認することで初期の視力低下に気づきやすくなります。

また、普段使っている眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても見えにくさが改善しない場合も、白内障を疑うべきサインです。

このような症状に心当たりがある方は、早めに眼科を受診することをお勧めします。白内障は早期発見・早期治療が大切です。

白内障手術と紫外線対策の関係

白内障手術を受けられた方にとっても、紫外線対策は依然として重要です。その理由と術後の適切な紫外線対策について解説します。

現在の白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズ(IOL)を挿入します。ほぼすべての眼内レンズには紫外線カット機能が備わっているため、レンズより後ろの網膜や視神経はある程度保護されています。

しかし、眼内レンズよりも前にある角膜や結膜は依然として紫外線の影響を受けます。そのため、白内障手術後も引き続き外部からの紫外線対策が必要なのです。

術後の紫外線対策として特に重要なのは、外出時のUVカットサングラスの着用です。手術直後は特に目が敏感になっているため、強い光から目を保護することが回復を助けます。

また、白内障手術後は網膜に到達する光の量が増えるため、以前より強いまぶしさを感じることがあります。これは手術が成功した証拠でもありますが、同時に紫外線対策の必要性も高まっていることを意味します。

手術で挿入された眼内レンズのタイプによっても、術後の紫外線感受性は変わってきます。特に多焦点眼内レンズを選択された方は、レンズの特性上、光のにじみやグレアを感じやすいことがあるため、より積極的な紫外線対策が望ましいでしょう。

術後の紫外線対策は、目の健康維持だけでなく、手術結果の長期的な保全にも役立ちます。せっかく手術で取り戻した良好な視界を長く維持するためにも、適切な紫外線対策を心がけましょう。

手術室

子どもの目と紫外線〜将来の白内障リスクを下げるために

子どもの目は大人よりも紫外線の影響を受けやすいことをご存知でしょうか。子どもの水晶体は大人よりも透明で、より多くの紫外線を通過させてしまうのです。

さらに重要なのは、紫外線による目へのダメージは蓄積性があるという点です。子どもの頃から浴びた紫外線の影響が、数十年後の白内障発症リスクに関わってくる可能性があります。

金沢医科大学の研究チームによる調査では、小児期の紫外線被ばくと成人後の眼疾患発症には関連性があることが示唆されています。特に初期瞼裂斑(けんれつはん)という目の表面に現れる黄色い斑点は、紫外線被ばくの指標となる重要な所見です。

子どもの目を紫外線から守るためには、以下のような対策が効果的です。

まず、子ども用のUVカットサングラスの使用です。子どもは外遊びの時間が長いことが多いため、特に紫外線対策が重要です。子ども用サングラスを選ぶ際は、UVカット率が高く、フレームが顔にフィットするものを選びましょう。

次に、つばの広い帽子の着用も効果的です。特に夏場の外遊びでは必須アイテムと言えるでしょう。

また、紫外線が強い時間帯(10時~14時頃)の外遊びを控えることも大切です。どうしても外で遊ぶ必要がある場合は、日陰を利用するよう指導しましょう。

子どもの目の健康は、将来の視力に大きく影響します。今から適切な紫外線対策を習慣づけることで、将来の白内障リスクを下げることができるのです。

まとめ:目の健康を守る紫外線対策の重要性

白内障と紫外線の関係について、医学的根拠に基づいてご説明してきました。紫外線は白内障の発症・進行に大きく関わっており、適切な対策が重要であることがお分かりいただけたと思います。

紫外線による白内障リスクを高める要因として、屋外活動の多さ、居住地域、紫外線対策の有無、年齢、熱中症経験、糖尿病、ステロイド薬の使用などを挙げました。これらの要因に該当する方は、より積極的な紫外線対策が必要です。

効果的な予防対策としては、UVカット機能付きサングラスの使用、つばの広い帽子の着用、UVカットコンタクトレンズの活用、UVカット機能付き眼鏡の使用、紫外線が強い時間帯の外出を控えること、複数の対策の併用、定期的な眼科検診が重要です。

白内障の初期症状としては、見え方のぼやけ、まぶしさの増加、色の見え方の変化、複視などがあります。これらの症状に気づいたら、早めに眼科を受診しましょう。

白内障手術を受けた方も、術後の紫外線対策は継続して行うことが大切です。また、子どもの目は特に紫外線の影響を受けやすいため、早期からの対策が将来の白内障リスクを下げることにつながります。

紫外線対策は、肌だけでなく目にも必要不可欠です。季節を問わず、日常生活に紫外線対策を取り入れることで、大切な目の健康を守りましょう。

当院では白内障の診断・治療はもちろん、予防のためのアドバイスも行っております。目の健康について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

著者情報

幕張久木元眼科 院長 久木元 延行

久木元 延行

経歴

獨協医科大学 医学部医学科卒業

東京医科歯科大学病院 臨床研修医

東京医科歯科大学 眼科学講座 入局

東京都立広尾病院 眼科

東京医科歯科大学病院 眼科

東京都立多摩総合医療センター 眼科

東京医科歯科大学病院 眼科

– 白内障・屈折矯正外来 主任

– 糖尿病網膜症専門外来

– 医療安全管理リスクマネージャー

幕張久木元眼科開院

資格

日本眼科学会認定眼科専門医

水晶体嚢拡張リング認定医

難病指定医

ボトックス認定医(眼瞼痙攣、斜視)

光線力学療法認定医

所属学会

日本眼科学会

日本眼手術学会

日本白内障屈折矯正学会

日本網膜硝子体学会

日本糖尿病眼学会